大気だけど、ここに何層もの大気があると考えよう。それぞれの層は薄着モデルと同じような性質を持ちます。つまり、太陽の光はすかすか通す、下の層からの赤外線は全て受け止めて吸収、一方、上と下に同じだけのエネルギーを、黒体と同様、温度の 4 乗に比例するように放つ。ちょっと違うのは上の大気層からの赤外線も浴びること。これも下からの赤外線と同様、全て吸収するとする。

図を見てほしい。3 層の大気を着ている場合だ。たとえば 2 層目を見てほしい。上から 一平方メートルあたり、上から238 W の、下から 714 W の赤外線をもらう。計 952 W。これを上下に等しく放出するので、平米あたり 476 W を上下に放っている。
数字を最初っから入れているけど、本当は方程式を解いている。いつものように言葉で書いておこう。
ある大気層の加熱率 = 上からやってきた赤外線 + 下からやってきた赤外線
ある大気層の冷却率 = 上へ放つ赤外線 + 下へ放つ赤外線
ある大気層の加熱率 = ある大気層の冷却率
地表の加熱率 = 太陽からの熱 - 反射された太陽放射 + 第一層からの赤外線
地表の冷却率 = 第一層への赤外線
地表の加熱率 = 地表の冷却率
これをばんばんと解く。やっぱり数式がないと明確には書けないな〜。
こちらを参考にしてほしい。本当は方程式を理解してほしいのだけど、アレルギーのある人もいるでしょうから、まあそう言うものだと思ってこのあとは僕の言うことを聞いてください。
さて、最初に。三層目と二層目の出す熱の差を見てほしい。三層目から二層目に、つまり下から上に向かう熱は平米あたり 714 W。一方で、二層目から三層目に、上から下に向かう熱は 476 W。差し引き上向きに、238 W。どの二つの層を見ても 238 W。これ、実は当たり前で、太陽から地表が受け取る熱が 238 W で、それを上に上に持ち上げていって、最後に宇宙空間に 238 W の熱を放っているわけだ。どの部分も熱がたまって温度が上がるとか、逆に温度が下がるとかそんなことが無いわけだから、熱の流れは一定なわけ。
次に。地表の温度は 87 ℃なんてとんでもない温度になっている。大気が 1 層しかない薄着モデルが 30 ℃の温度だったから、それよりもずいぶん温度が上がったわけだ。
つまり、1 層だった薄着モデルよりも、3 層ある厚着モデルの方が温度が上がる。より強い温室効果が現れる!!!
これ、重要なポイントね。以前、「
放射と飽和論」というシリーズ記事でとある懐疑論を扱った。懐疑論曰く、二酸化炭素が放射を遮るところでは、すでに地表からの赤外線放射は十分に遮られている。二酸化炭素が増えたところで遮られる赤外線は増えるわけではないから、たとえ二酸化炭素濃度が増えても温室効果が増えるわけではない、というのが、僕が「飽和論」と名付けた懐疑論。
「放射と飽和論」では、それに対する反論としてある説明をした。厚着モデルは、「飽和論」に対して、別な反論を提供する。
というのも、薄着モデルの時点で地表の放つ赤外線は全て大気に吸収されているんだ。だから、「飽和論」が正しければ、薄着モデルでも厚着モデルでも地表の温度は変わらないはず。
でも、そうではない。大気の層を増やせば地表の温度は上がる。飽和しているにもかかわらず、温度は上がるのだ。
吸収が飽和しているからって、CO2 が増えても温度が上がらないなんて言えない!
飽和論に対する反論で、CO2 が増えると吸収、再放射が増えるから温度が上昇する、という反論がある。たとえば、江守正多さんの
これ。厚着モデルを見て見ると、薄着モデルに比べて吸収と再放射が増えているわけで、つまりは江守さんと同じことを言っているんだ。まあ、地球とは似ても似つかぬモデルだけどね。でも、メカニズムとしては同じだよ。
さらに、厚着モデルでは、層を増やせば増やすほど地表の気温を上げることができる。たとえば、50 層にしたら、地表の気温は 400 度ぐらいになる。
400 度って、金星の地上気温に迫る温度なんだよね。金星の地表が高温であることを指して、「究極の温暖化」と言っている解説者がいた。金星は分厚い二酸化炭素に覆われている。彼が言いたかったことは、厚着モデルが語ってくれている。もちろん、話はもう少し複雑なのだけど、でも、このモデルがある種の本質を語っている。
厚着モデルもとってもいろんなことを教えてくれるんだ。
さて、厚着モデルにはまだまだ話すことがあるので次へ。
1428の源は、952(地表から)+476(第二層から)=1428ですね。
そうすると、第二層は上下に476ですから、476+476=952を放射していることになりますね。
でも952の内の476は第一層から来ますが、残りの476はどこから来るのでしょうか?
このモデルでは、最上階はからエネルギーは入ってきません。
第二層の952は、714(第一層から)+238(第三層から)で、952を上下に分割すると、上に418下に418
それでは第一層の1428(上に714、下に714)はどこから来たのでしょうか?
このモデルは大きな欠陥がある気がします。
>
> 第二層の952は、714(第一層から)+238(第三層から)で、952を上下に分割すると、上に418下に418
418 は計算間違いでしょうか?それとも、どこか別な式から計算されたのでしょうか?僕が計算間違えしているかな?
> それでは第一層の1428(上に714、下に714)はどこから来たのでしょうか?
下の層 (この場合は地表) と上の層からです。本文に書いたつもりですが…。
すいません。
ところで質問の意味わかっているのでしょうか?
内容は変わらないのですが、別の表現を試みます。
エネルギーの流れは・・
太陽 → 地表 → 大気(雲) → 温室効果として何割かが地表に戻る
でも太陽から地表へは・・238
そして地表から地球の外へ・・・238
で同じです。
100%地球の外に消えています。
そうすると、第一層の1428(714+714)はどこからきたのか?
特に、第一層から下向きの714は?
また地表から第一層に出す952はどこから?
太陽から地表へは238しかないし、238は100%地表から地球の外に出ているのに。
まるで手品師の帽子のようです。
モデルの内容について、私にはこれ以上特に申すことはありません。
> まるで手品師の帽子のようです。
この「手品」こそが、厚着モデルが教えてくれたことです。厚着モデルに出会わなかったら、あなたは一生知らないままだったでしょう。
あとはご自身で厚着モデルとの対話で解決してください。太陽の光を強めたり、雲を減らしたり、なにより層の数を変えたり。実際の数値を入れて、我々の言葉で言えば「手を動かして」、厚着モデルの話を聞いてください。
ブログ記事読んで 3 分考えただけじゃ無理かもしれません。長い時間 (1 年とか) がかかるかもしれません。でも、それって、研究者は普通にやっていることなんですよね。
優しいお姉ちゃんとあまり仲の良くない3人の弟の4人兄弟に超大金持ちのおじいさんがお小遣いをあげようとしています。おじいさんは兄弟のコミュニケーションを図ろうとややこしいけど次のようなやり方を考えつきました。
まず、兄弟4人、年の順番に横1列に並んで、隣り合う人同士で持っているお小遣いを交換します。やり方は、まずあげるお金をその人前に配ります。みんなが配り終わったらそれぞれ自分の前に置いてあるお金を集めます。その集めたお金がその時の仮のお小遣いになります。そしてまた配るというのを繰り返します。配り方は
1.おじいさんは毎回お姉ちゃんの前に100円おく。
2.お姉ちゃんは優しいので今持っている金額を全部長男の前に置く。
2.長男・次男は今持っている金額の半分を隣の人にそれぞれ配る。つまり、長男はお姉ちゃんと次男に、次男は長男と三男にそれぞれ配る。
3.末っ子の三男は今持っている金額の半分を次男に配り、残りをおじいさんに返す。
これを何回も繰り返して、仮のお小遣いの金額が配っても変わらなくなったらやめて、そのお金をお小遣いにします。
さてそのとき、みんなそれぞれいくら持っているでしょう。
100回くらいやればだいたい定常になります。(手元のエクセルでちこっとやってみた)。この定常状態が厚着モデルでの状態と同じなっているということが分かれば納得でませんか?
数値が違うというのなら100円ではなく238円にすればおなじになります。
ただし、定常に至るまでの過程は、実際の物理で赤外放射0から出発して太陽放射のみをあたえつづけるというようなものとは、かなり違うのでそこは混同しないように。
たとえ、ありがとうございます。
これって、お金が"ランダムウォーク"しながら兄弟の間に"拡散"していく、拡散方程式のモデルになっているわけですよね。
そして、もちろん厚着モデルと同じ物理も表している。
おもしろいと思いました。
これを読んだときに、これがおおくぼさんのような人は何を思うのですかね…。
でも、とにかくいろいろな表現で頭の中に入ってきた方が理解の助けにはなると思います。
ありがとうございました。
まず Barrett を片付けてしまいましょう。