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地球の温度

例として、何か簡単なモデルを作ってみよう。温暖化ブログなので、やっぱり地球の温度を計算するのがいいだろう。

どんなモデルを作るのか?地球の温度に影響を与えそうな要素を考えてみよう。

地球は宇宙に浮かんでいる。銀河系の端っこを回る太陽から、約 1 億 5000 万 km 離れて一年で軌道を一周している。正確には楕円軌道で、地球は一月に最も太陽に近い位置 (近日点) を通り、その半年後に最も遠い位置 (遠日点) にいる。衛星として月を従え、軌道の内側には金星が、外側には火星が回っている。
地球は一日一回自転しており、夜と昼が訪れる。自転軸は 23.4 度傾いており、そのせいで季節が存在する。地表の七割を海が占め、太陽光を比較的反射しにくいが、海氷はそれにくらべて多く光を反射する。陸地は、森林に覆われていたら太陽の光を吸収しやすく、草地、砂漠となるにつれて光をより多く反射する。

地球には人類が住んでいて、いろいろな活動をしている。化石燃料を掘り出して、飛行機を飛ばし、車を動かし、工場を働かせている。電気も作っているが、燃料としては化石燃料だけではなく原子力も使っている。

地球自体、つまり、固体の地球自体も熱を発している。地球の奥底で崩壊する放射性物質のおかげで、地球の内部はなかなかの高温になっていて、その熱が地表に伝わってきて、火山の爆発や温泉などとして熱を地上にもたらしている。

まだあるだろうか?たぶん、たくさんあるだろう。

モデル作り

でも、大事なのは「必要十分」だ。何が必要で、何がいらないのだろうか?

とりあえず、ここは僕のやることを見ていてほしい。

モデルを作る際に、上に書いたことの多くは、大胆に無視。あり得ないくらいに簡略化する。

たとえば、熱源は太陽光だけだとする。人間が出す熱とか地熱とかは考えない。さらに、地球の温度は一つだけだとする。本当は極と赤道で、そして、昼と夜で温度が違うのに、ぜーんぶ一緒の温度としてしまうんだ。一つの温度というのは、時間的にも変化しないと言うことでもある。そして、地球は温度に応じた電磁波、最終的に得られる温度からそれは赤外線ということになるんだけど、とにかく電磁波を出して自ら熱を外に捨てているとする。

太陽から受け取る熱で暖まる一方、地球が発する熱は赤外線の形で宇宙に出て行くとするだけだとする。また、温度が一定と言うことは、受け取る熱と捨てる熱が一緒だと言うことだ。

申し訳ないけど、この先、数式や計算が出てくる。できるだけ簡単なものにするから、我慢してついてきてほしい。

まず、地球が太陽から受け取る熱だ。それを Q としよう。

太陽が放出する熱。それはだいたい、4 * 10^{26} W だ (10^{26} は 10 の 26 乗を表す。1 のあとに 0 が 26 個ついた数字だ。以下、同様に表記)。ワットってわかるよね。電力の単位で出てくる。それだけではない。ストーブは kcal/h で表されることが多かったけど、最近では kW (=1000 W) で表示されてる。ワットはだから、どんだけ熱を出すかという単位でもある。ちなみに、うちにあるカセットコンロが約 3 kW。太陽は、うちのカセットコンロの約 130000000000000000000000 倍の熱量を出している。え、想像できない?大丈夫、僕もよくわからない。

太陽の熱が地球軌道のあたりでどのくらいになるか?半径が地球と太陽の距離の球を考えよう。半径 1 億 5000 万 km だから、球の面積 4 pi r^2 ということを思い出すと、球の面積は約 2.8 * 10^{23} だ。ということで、計算すると、1 平方メートルあたり、だいたい 1.4 kW のエネルギーが降り注いでいることがわかる。この値は太陽定数と言われていて、大気圏外の人工天体によって観測されており、正確な値は一平方メートルあたり 1.366 kW 。さっきの続きで言うと、6 畳間一つの広さあたりカセットコンロ 4 台ってな感じかな。この値、太陽活動に伴ってわずかに変動しているんだけどね。でも、それも無視。

地球全体に降り注ぐ量はどうなるか。後出しで悪いけど、もう一つ考慮しておこう。地球は太陽光を反射している。約 3 割が雲や氷、海面のきらめきとかそんなこんなで直接宇宙に帰って行くんだ。残りの 7 割が吸収される。

地球の太陽に対しての断面積分だけ、つまり、π * 地球半径の 2 乗分だけ降り注ぐ。地球の半径は 6378 km。反射率まで考慮して計算してやると、だいたい 1.4 * 10^{17} W。カセットコンロ約 50000000000000 台分。太陽が出している熱量と比べるととても小さい、って、0 が多すぎで何が何だかよくわかんないけど。

次に、地球が捨てる熱について考えよう。19 世紀の物理学が解き明かしたところによると、ある温度を持つ黒体と呼ばれる物体は、その温度の 4 乗に比例したエネルギーを電磁波の形で放つ。比例定数はシュテファン=ボルツマン定数とよばれ、σ と書かれる。σ は約 5.67 * 10^{-8}。本当は地球は黒体ではないのだけど、だいたい OK ということで、こうしてしまおう。

ebichan model

すると、方程式が立つ。

(受け取る熱量)=4 π (地球半径の2乗) * (シュテファン=ボルツマン定数) * (温度の 4 乗)

この式がこの記事のモデルだ。まあ、式だけがモデルというわけじゃなくて、ここに至るまでの考察もそうなのだけど、この式がモデルを体現している。

考察をたどると、どれだけのことをふるい落としてきたかがわかるだろう。

さて、このモデルでどんな温度が出てくるか。いつも「このモデル」というのも何だから、名前をつけちゃおう。0 次元モデルとか呼ばれてるのを聞いたことがあったりするけど、ちょっとややこしいよね。うーん、どうしようかな。とりあえず、「エビちゃん」と名前をつけちゃう。

このモデルには、じゃなかった、エビちゃんには、温度だけが未知数として含まれている。他の量はわかっているので、計算してやると T= 255 K つまり、氷点下 18 度という値が出てくる。

さぶっ。この地球は凍てついた星になっちゃいそうだ。

エビちゃんは美しい?

なんか変な答えが出て来た。エビちゃんは正しくなさそうに思えるよね。

だけど、正しいかどうか、という言い方は僕はあんまり好きではない。モデルはどうせ自然とは違うのだから。ファッション誌のモデルがあなた自身でないのと同じように。

それよりも大事なのは、美しさだ。

先の記事にも書いたように、モデルは、説明しようとしている事柄に対して「必要十分」であることが重要だ。つまり、美しいモデルはわかりやすく、少ない言葉で物事がクリアに説明されている。一方で、無駄な説明がごてごてとあったりしてはいけない。

目鼻立ちがわかりやすくぱっちりしていてスリムなのが大切なわけだ。それがモデルの美しさ。

じゃあ、エビちゃんは美しいか?

エビちゃんが地球の温度を求めるためのモデルだとすると、実際の気温 (地球の平均気温は 15 度くらい) よりも 30 度以上も離れた結果を出したのだから、何か足りないわけだ。必要なメカニズムは入っていない。

足りない?顔立ちがはっきりしていないと言うこと?美しくないのか?モデルとして役立たず?

そうでもないんだよね、というのが僕の意見。

地表の気温だと思うとまずいんだ。僕たちは地上に住んでいるから仕方ないんだけどね。でも、もし赤外線しか見えない宇宙人が彼らの住む星から地球を観測したら、たぶん、地球の温度を -18 度くらいだと言うと思う。エビちゃんが語るのは、宇宙人からの見た目の温度なんだ。つまり、宇宙人にとって、エビちゃんは美しい。

これが詭弁に思える人、多そうだ。地球の温度って言えば、地表の温度だろう、常識的に考えて。でも、そんな人には、太陽について思いをはせてほしい。太陽は気体でできた星。表面温度は 5784 度とか Wikipedia には書いてあるけど、じゃあ表面ってどこなんだ?地球みたいにくっきりとした地面はないぞ。実は、太陽の温度は、宇宙から見た目で決まっている。太陽の中心の温度はもっと高いよ。宇宙からの見た目の温度というのは、それなりに意味がある。

また、33 度も低いとはいえ、絶対温度にすると、288 度と 255 度。一割くらいしか間違えていない。これって、考えようによってはなかなかよく地球のことを表しているのですよ。

たとえば、熱源が太陽光ではなく地熱だった場合。地熱は 4.5 * 10^{13} W くらいだそうだ。これを太陽からの熱の代わりに入れて計算すると、地表の気温はマイナス 240 度ぐらいになる。さぶっ、なんてもんじゃない!こんなに温度が低いと酸素も窒素も凍っちゃいそう。

比較の問題だけど、熱源を地熱にしたモデルより、エビちゃんが地球の気温を正確にとらえていることがわかるだろう。他のエネルギー源を探しても同じ。つまり、地球の熱源は太陽ぐらいしかあり得ないよね、ということを雄弁に述べていることになる。

どうだろう?エビちゃんはいい仕事をしていると思わないだろうか?

目的によっては十分にすばらしい仕事する。確かに地球の気温を厳密な正確さでは求められなかった。でも、これはエビちゃんを「地球の温度を求めるモデル」と紹介してしまった僕の不手際だろう。

エビちゃんをダメモデルだと非難するのは、たとえば CamCan で OL のお手本となり、卒業後 AneCan でも活躍、このたびめでたく結婚される、一世を風靡したモデルさんに、ギャルメイクをさせたり女子校生の制服を着せたりして「似合わねーwww」とか指さして笑っているようなもの (いや、似合ってしまうかも知れませんが) 。

エビちゃんは十分にはっきりとした目鼻立ちをしているんだ。

それに、実は地球の温度を考える際にだって使えます。つまり、地球の表面温度を説明できなかったのは、なにかが不足している証拠。その不足している何かを探していくことで、地球の気温を理解するための足がかりになるわけ。かなりしっかりとした土台になってくれるから、この後の議論が大変やりやすくなる。

どうしてしっかりしているのかというと、無駄な説明が含まれていないからなんだ。モデルに含まれるものが多いほど、話はややこしくなってしまうからね。たとえば地球の軌道が楕円であるための太陽定数の変化とか、人間活動によって発生する熱とかがモデルに含まれていたら混乱のもと。そんな無駄な説明まで取り込んだモデルを土台にしてしまうと、話はこんがらがる。

つまり、今後の展開にはエビちゃんのスリムさがとても役に立つというわけだ。

今後の話に使うから、エビちゃんのことをしっかりと理解してほしい。

そして、地球の温度を求めるために何が足りないかはこのあと説明していこう。今日は終わり。

あ、言っておきますが、僕はエビちゃんが好きだ。


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タグ 記事:モデルとは はてなブックマーク - モデルとは何か (3) 美しいモデル
2010.05.30 Sun l 温暖化論概論 l COM(0) TB(0) | top ▲

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