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筆者が温暖化懐疑論を観察し続けて一年以上になる。その間、短いながらもさまざまな出来事が起こった。

観察を始めた 2008 年、この年は、温暖化懐疑論が猖獗を極めていたように思う。たとえば、環境関連本の売り上げ top 10 のうち、6 冊が温暖化懐疑論本でしめられていたことがあった。SGW 氏のこちらの記事を見ていただくと、どのような本がランキングに名を連ねていたかがわかる。(2010/2/4 SGW 氏の記事は見れなくなってしまいました。代わりにこちら。)

1偽善エコロジー 武田邦彦
2科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている 丸山茂徳
4「地球温暖化」論に騙されるな! 丸山茂徳
5地球温暖化論のウソとワナ 伊藤公紀・渡辺正
7ほんとうの環境問題 池田清彦・養老孟司
8正しく知る地球温暖化 赤祖父俊一
なぜこの時期に懐疑論の隆盛が出来したのか推測してみたい。

このころの温暖化の話題とそれに関するマスコミ報道を思い出してみる。2007 年の終わりに IPCCの第 4 次報告書がまとめられ、それと前後して温暖化と温暖化対策に関する報道が集中した。環境を中心的な議題とした洞爺湖サミットも 2008 年 7 月に行われ、温暖化報道に拍車をかけた。懐疑論本の隆盛はこれに対する反作用であろう。比較的平和な時期で、他に大きな政治的、経済的事件が無かったこともあり、世間一般の、そして、マスコミの関心が環境問題に集中していた。その中で懐疑論本も売れに売れた。

その様相を一変させたのがリーマンショックに始まる不況である。GDP 大幅減、派遣切り、デフレと暗い話題が続いた。2009 年も、悪化する経済に加え、自民党体制が終焉を迎えるなど、政治、経済的に激動の年となった。そのため、一時的に懐疑論への関心も薄れたようである。環境問題、そのなかでも温暖化問題は百年後の話である。明日の生活に直結する話題と比較して優先順位が低いのは当然である。この時期、懐疑論はなりを潜めたように筆者には思われる。

しかしながら、経済危機が永遠に話題の中心を占めることは不可能である。2009 年末に COP15 が開かれた。毎年行われる会議の中でもこのデンマークで行われたこの会議は京都議定書の次を決めるという目的があり、再び温暖化報道が過熱した。それに併せていわゆる「クライメイトゲート」事件が起き、懐疑論が盛り上がったのも記憶に新しいところである。

さて、上で述べたように、筆者が観察を始めた 2008 年の中頃は懐疑論が盛り上がった時期であった。とても多くの懐疑論が出回っており、事情のわからない筆者には多数の懐疑論者がいる印象であった。しかしながら、観察を続けるにつれ、日本で懐疑論を唱えている人物はかならずしも多くないということに気づいた。正確に言うと、懐疑論を唱えている人は多いが、ほとんどは他人の説の受け売りであって、独自の懐疑論を唱えている人は多くない、ということに気づいたのである。

懐疑論でも、科学的な論点に限って言えば、筆者が観察していた時期に活発に活動していたのは、赤祖父俊一氏、伊藤公紀氏、武田邦彦氏、槌田敦氏、丸山茂徳氏の五名程度である。

彼らを並べて論じるのは意味があろう。そこで、この後、温暖化懐疑論者列伝としてこの五氏について個別に論じていきたい。

その他にも懐疑論者はいる。たとえば、池田清彦氏や薬師院仁志氏などが本を書かれている。しかしながら、わたしが観察していた期間ではあまり目立った活動が感じられなかった。また、近藤邦明氏は精力的に活動しているが、基本的に槌田氏の代弁者であって、氏のオリジナルの説があるわけではない。池田信夫氏、田中宇氏も温暖化に懐疑を表明しているが、彼らは科学者ではなく、経済的な側面から議論している。機会があれば別な場所で取り上げたいが、今回は論じない。

次回以降、五氏一人一人をそれぞれに一つの記事を立てて論じていくことにする。

各論に入る前に、全体を見渡しておくのは意味があろう。そこで、つたないながらも一覧表を作成してみた。ご笑覧いただきたい。

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懐疑論者一覧表

それぞれの項目の説明

数値系: 100 点満点
○切れ味: 温暖化論批判の鋭さ
○破壊力: 持論の「迫力」。正しさではない。持論を奉じる一貫性が重要。
○声の大きさ: メディア等への露出、非専門家へのアピール力
○防御力: 突っ込まれたときの対応力。サイエンスに正直だと低めになってしまう

非数値系
○懐疑論の一言説明
○キャッチフレーズ
○武器、得意技
○備考


赤祖父俊一さん
項目得点一言説明
切れ味40IPCC レポートを読んでいない?急所を衝けていない。
破壊力30意外にやる気ない
声の大きさ65公聴会での発言
防御力60人の話を聞かないことができる
懐疑論 温暖化は小氷期からの回復
キャッチフレーズ孤高の大科学者
武器、得意技「温暖化は自然変動」、オーロラ研究の実績
北極研究の大科学者。オーロラ研究の実績で人を幻惑することができ、政治家などにも強い発信力を持つ。「孤」すぎて周りの声が届かず、声が届いたとしても「高」すぎて議論にならない。


伊藤公紀さん
項目得点一言説明
切れ味90本当によく勉強していらっしゃいます。
破壊力20自説がないのが残念
声の大きさ35いえ、いい本書いていらっしゃるのですけどね…。
テクニカルすぎるか?
防御力80懐疑論を数多く展開して攻撃を分散吸収
懐疑論 各種取りそろえております
キャッチフレーズ日本のロンボルグ
武器、得意技多論点提示による飽和攻撃
温暖化研究を深く知っておられ、弱点も把握している。懐疑論がすばらしい切れ味を持っているだけに、代案を提示しないところが惜しい。あと、提示する懐疑論の質にばらつきがあるのも残念。


武田邦彦さん
項目得点一言説明
切れ味20残念ながら物理があまりわかっていらっしゃらない模様
破壊力30IPCC 派を自称するなど、日和るところが今ひとつ
声の大きさ85懐疑論ベストセラー作家
防御力65論がふにゃふにゃなのでつかみ所なし。
隙だらけの割に防御力高目
懐疑論 そんなことより誠実に生きるべき
キャッチフレーズ誠実
武器、得意技「それはアンフェアだよ!」
小学校の朝礼における校長先生のお話レベルで環境問題全般を語り、人気に。事実より誠実さを重要視されている。特に他人の誠実さを。


槌田敦さん
項目得点一言説明
切れ味60論自体は鋭くないが、「ヘンリーの法則」で
多くの人を引っかけた実績により
破壊力65迫力はすばらしいものがあるが、まともに取り合う人は
あんまりいないからちょっと減点
声の大きさ75司法を活用する懐疑論者はこの人だけ!
防御力70どんな批判も好意的なものとして解釈できる。それと、
忠実な支持者
懐疑論 CO2 増加の原因は温度上昇による海からの放出
キャッチフレーズエントロピー
武器、得意技提訴!
なんといっても気象学会を提訴したことが光る。エントロピー学会を立ち上げた頃はカリスマ的研究者。現在も脳内の多くをエントロピーが占めている模様。


丸山茂徳さん
項目得点一言説明
切れ味70みんな大好き「スベンスマルク説」を土台にしている分の
加点が 50
破壊力80どんなおぼつかないデータでも、自分の脳内データさえも
証拠にして突き進む姿はお見事
声の大きさ852008 年に 3 冊も (もっと?) 本が出たのはびっくりでした。
防御力15自説があると弱いですね。
懐疑論 スベンスマルク説
キャッチフレーズ46 億年の地球史
武器、得意技アンケート、"reference 俺"
スベンスマルク説ベースの自説をお持ちなところが魅力的だが、それが弱点でもあり、エネルギー資源学会の討論や朝生では江守さんの猛攻を受ける羽目に。ちょっとうかつなところが憎めない。


タグ 記事:一周年特別企画 はてなブックマーク - 一周年記念特別企画・地球温暖化懐疑論者列伝 (1)
2009.12.27 Sun l 温暖化懐疑論概論 l COM(11) TB(0) | top ▲

コメント

No title
はじめまして。
最近ちょくちょくサイトを拝見しています。
地球温暖化を普通の視線で科学的に扱っている貴重なサイトとして、かげながら応援しております。

このエントリーでは、懐疑論者さんの一覧表での、言い得て妙な文章の連続には笑わせてもらいました。最近のへたな芸人のパフォーマンスよりよっぽど笑えました。

スベンスマルクのエントリーでは、リズム感をもたせた文章に感心させられました。onkimoさ
んは絶対ご存知ないはずですが、はるか昔子供の頃、自分が読んだ物語で、たしか「広い世界」というタイトルの子供の本がありました。その文章が、スベンスマルクのエントリーでのリズムと同じリズムで書かれていたことを思い出しました。onkimoさんは文才もおありなのですね。

自分は引退した電気屋で、大学で習った物理も数学も忘れてしまいましたが、地球温暖化を危惧する中で、温暖化の物理、温室効果のメカニズムといったことにも関心があります。その意味で、放射と飽和論はちょっと力を入れて読み込ませていただきました。CO2の地表からの放射の吸収量=再放射量は一定値に漸近するものではあるが、CO2の量自体が増加していけば、その漸近線のy値が増加しうる、そのように理解させていただきました。
この辺の自分の理解が妥当かどうかさえよくわかりませんが、そのほかに少し疑問もありますので、自分の謎がうまく整理できたあかつきには、どこかのエントリーにおいて質問させていただくこともあるかもしれません。そのときはよろしくお願いします。m(__)m

今後もマイペースでご自身の論を展開されていかれることを期待しております。
2009.12.28 Mon l daigo -. URL l 編集
No title
誤植なら直してください
>防御力 15 自説があると弱いですね。
2009.12.28 Mon l . -. URL l 編集
Re: No title
daigo さま

コメントありがとうございました。こんなおばかブログにはとってももったいないコメント、かえって申し訳ないくらいです。

温室効果のことについて私の文章を読んでいただいたとのこと、ありがとうございます。このブログを書き始めた目的の一つは、温室効果について数式を使わずに説明を試みることでしたので、あの無駄に長い飽和論のあたりを読んでいただけて、しかも、コメントまでいただけて大変ありがたく思います。

温室効果を理解するのは実は大変難しく、一筋縄ではいきません。説明するのはもっと難しい。私も今後手を変え品を変え説明を試みるつもりですが、はたしてどうなりますやら。またその時に読んでいただけると幸いです。

どうぞごゆるりとおつきあいくださいませ。
2009.12.30 Wed l onkimo -. URL l 編集
No title
ハーハハハハenv01.cool.ne.jp/global_warming/saiban2/sojo.pdf

それと「自説があると弱い」は意味不明です
2009.12.30 Wed l . -. URL l 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009.12.30 Wed l . l 編集
「二酸化炭素による地球温暖化」否定論者
最高の「二酸化炭素による地球温暖化」否定論者はピエール=ジル・ド・ジェンヌと思います。彼は1991年のノーベル物理学賞を受賞したフランス人です。
著書「科学は冒険」(講談社ブルーバックス)214ページの「エコロジーにも科学的な視点を」で「二酸化炭素による地球温暖化」を明確に否定しています。
2009.12.30 Wed l 現代のニュートンの信奉者 HONkZBo2. URL l 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009.12.30 Wed l . l 編集
あけましておめでとうございます
正月からコメント書いたりしていると、なんだか非リア充っぽいですね。

ところで、いろいろとコメントありがとうございました。どうも丸山さんの 防御力( 突っ込まれたときの対応力。サイエンスに正直だと低めになってしまう)が低すぎると思われる方がいらっしゃるようですね。

どのくらいの数字なら納得できるのかな?

当たり前ですが、この数字は私の感覚なので、絶対的なものではありません。「防御力」に 100 を付ける人がいてもおかしくありません。

せっかくですから、皆さんの"感覚"も教えてほしいものです。

では、温暖化論に与する方にも、懐疑論を唱える方にも、今年も良い年でありますように。論争が2008 年並に盛り上がることを期待しています。
2010.01.01 Fri l onkimo -. URL l 編集
No title
誤植かという指摘は誤解に基づくものでした

普通の論理では「自説がないのが弱い」「自説があると『よい』」というのが普通ですので。しかしここでは自説があるからこそ、反証可能性により防御が弱くなる、自説がないほうがのらりくらりで反証しがたい、ということを言ってるのなら結構です。
2010.01.03 Sun l . -. URL l 編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010.01.14 Thu l . l 編集
Re: No title
秘密コメ様

わざわざご説明ありがとうございます。なにか、説明要求したみたいでこちらこそすみません。

記事がおもしろくて、いろんな人に読んでもらいたかっただけに、残念であの一言を書きました。秘密コメ様御自身のブログについては、あたりまえですが、私は意見できる立場ではありません。記事が消えたことはあんまり気にしていなくて、私としては、これからも今まで同様切れの良いおもしろい記事を読ませてもらえればうれしく思います。

期待してますよ!

で、『「温暖化の気持ち」を書く気持ち』の方ですが、あちらは私のつぶやきで、最初はコメントも書き込めないようにしようかと考えていました。あちらで秘密コメを受け付けるように修正することはいまのところ考えていません。

ご要望にそえなくてすみません。公開でコメントしていただければとおもいます。
2010.01.14 Thu l onkimo -. URL l 編集

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