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いよいよスベンスマルク説、その核心に話を進めましょう。

何を言ったかスベンスマルク。それをきちんと理解するため、彼の論文を紹介しましょう。こちらの論文でございます。

Henrik Svensmark, 2007, "Cosmoclimatology: a new theory emerges", Astronomy & Geophysics vol 48, 2007, pp 1.18-1.24

紹介しますこの論文、スベンスマルクの考えを、全体的に見渡して、まとめて述べた良いレビューだと思います。スベンスマルク説の歴史、今現在の状態と、将来期待される成果、これがざっと見渡せます。二年も前の論文ですが、どうぞご勘弁ください、最新の成果については、スベンスマルクの専門家、もしくは支持者にお訊ねあれ。

さらにもう一つご注意を。この後書くのはスベンスマルクの述べたこと。私の考えではありません。一部の点につきまして、私は疑問を抱いています。でもこの記事におきまして、疑問については語りません。今後の記事でお話しします。
スベンスマルク説のあゆみ

宇宙線と雲の量、その二つの関係をスベンスマルクが発表したのは、1996 年、バーミンガムでのことでした。COSPAR という、宇宙の開発にかかわる国際会議、その場で公表されたのは、銀河宇宙線と雲の関係、宇宙線が雲を作る、との観測結果でございます。

これは大変大事な結果、なぜならこの結果が出るまでは、太陽活動がどうやって、気候を変えるかわからなかった、太陽の明るさの変化は 0.1 %、大変小さなものなのです。ところが観測によりますと、地球の気候のシステムは、太陽の変化に影響受けて、もっと過敏に反応している。

どうしてこんなに太陽の、小さな明るさの変化が、大きな変動引き起こす?スベンスマルクが示したことは、太陽の明るさではなくて、銀河宇宙線が雲を変え、それが気候を変えている、太陽活動がやっていることは、銀河宇宙線のコントロール、そうして間接的に気候を変えている、ということでした。

それではどうして宇宙線、雲のでき方を変えるのか?もっと詳しく見てみたら、宇宙線にて変わっていたのは低い高さの雲でした。これはなんとも不思議な話、高い空から降ってくる、宇宙線が影響するのは、空高くの雲ではなくて、地面の近くの雲なのです。


Svensmark(2007)_Fig2

雲と宇宙線の間に見られる相関関係。青線は衛星観測によって得られた地球上で雲が占めている割合の平年からのずれを、赤線は宇宙線の強さを表しています。Svensmark (2007) Fig.2 より



多くの人は言いました、宇宙線が雲を作るメカニズムが存在しない、そんなことはあり得ない。でも、大気物理学者の一部は認めました、雲の核になるようなエアロゾルを作り出す、メカニズムがはっきりとはわかっていない、観測からもわかっていない。スベンスマルクは考えた、エアロゾルの謎を解く鍵は、宇宙線にあるに違いない、それなら俺が実験で、謎を解いてしまおうと。

スベンスマルク説の証拠

そこでスベンスマルクは動きます。CERN (欧州原子核研究機構) が持ってる加速器で、高エネルギー粒子を作り出し、それを宇宙線の代わりに使ってエアロゾルの謎に迫ろうと。1998 年から活動をはじめ、ヨーロッパの科学者を集めます。そして CERN に研究計画を送ります。CLOUD と名付けられたその計画、なかなか承認されません。粘り強い活動で、やっと 2006 年に研究スタート、2010 年頃には本格的な実験が始まり、データが出てくることでしょう。

CERN は遅々として進まない、それならこっちにも考えがあるぞ、スベンスマルクは SKY 名付けられた実験を行います。これは、加速器の粒子ではなく、自然の宇宙線を使って行われました。地下に作った実験室に、地球の大気を再現するよう、チリをのぞいた空気の中に、硫酸の原料となります二酸化硫黄を放ちます。地下室を貫く粒子はミューオン、銀河宇宙線が生み出した、二次宇宙線でありまして、これが実験室の空気に作用して、イオンが生成されています。太陽代わりの紫外線を、この空気に当ててやりますと、あら不思議、硫酸粒子が生まれます。硫酸粒子は雲の素、宇宙線が生み出した電子が、凝結核を作り出す、そのメカニズムを実験で、はじめて示すことができました。(この実験については改めて詳しく説明いたします)

観測でわかった事実、実験でわかった事実、宇宙線はしかと雲に影響を与えているのがわかります。雲が増えれば地球の気候、変化するのは自明の理。ですが本当にそのような、気候の変化があるのでしょうか?

スベンスマルクは調べます。そして見つけた、南極のデータ。皆さんご存知南極は、白く輝く氷の大地、氷は雲より白いので、雲がかかってないときよりも、雲がかかっているときが、日の光を多く吸収いたします。一方で他の地域では、雲がかかっているときに、太陽の光が届かない。さてさてデータを見てみると、おやまあ確かに南極の、気温の変化は特徴的、北半球の気温が上がれば南極の気温は下がっています。


Svensmark_cosmoclimatology_fig6.jpg

南極と北半球の気温の変化。比較のために 1 ℃ずらして書いてあり、上の段に北半球気温の平年差を、下の段に南極のそれを書いている。青線、赤線はそれぞれのデータをなめらかな曲線で近似したもの。Svensmark (2007) Fig 6 より


昔のデータも見てみれば、やっぱり同じ傾向が、南極が上がれば北が下がり、南極下がれば北が上がる、上がれば下がり、下がれば上がる、これは両極シーソー(bipolar sea-saw) として知られておりまして、すでに説明ございます。されどそれらは複雑で、スベンスマルクの言うことにゃ、雲が原因と考えるのがなんと言っても分かりやすい。

昔のデータを見てみると、地球の気候、宇宙線に影響を受けている、さらなる証拠が出てくると、スベンスマルクは言うのです。次の記事でお話ししましょう。
タグ 記事:みんな大好きスベンスマルク はてなブックマーク - みんな大好きスベンスマルク (6) 何を言ったかスベンスマルク (上)
2009.10.03 Sat l 懐疑論(研究者アホアホ系) l COM(0) TB(0) | top ▲

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