上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
はてなブックマーク - スポンサーサイト
--.--.-- -- l スポンサー広告 | top ▲
前回の記事はこちら

雲の核とエアロゾル

過飽和状態の水蒸気、抱えきれないはずの水蒸気、空気の中にあったとしても、凝結できないことがある。最初にできる水滴が小さすぎて、水滴の表面張力がじゃまをするはずだから。でも、空気中ではなぜか、低い過飽和度で水滴ができているみたい。

それはなぜかというならば、空気にうかぶ、ちりのせい。ちりは「エアロゾル」と呼ばれてる。

どうしてエアロゾルがあると凝結しやすいの?いろんなメカニズムがありまして、さくっと説明できません。ここでは一つだけ考えましょう。

押し入れの湿気取り

ご存じ押し入れの湿気取り、白い粉が入ってる。梅雨どきに押し入れに入れてみれば、いつのまにか粉が水になっている。こんなに湿気を吸ったのか、いつもびっくりいたします。

どうして白い粉が水を吸う?水ができた、ということは、凝結したと言うことだ。押し入れの中の水蒸気量は、飽和していないはずなのに。
どうして凝結できるのか?それは、白い粉が水を引き寄せるから。白い粉は塩化カルシウム、水に溶けると電気を帯びる。プラスを帯びるカルシウム、マイナスを帯びる塩素 (塩化物イオン)

実は、水の分子も電気を帯びてる。水分子の中の酸素と水素の原子、酸素原子がマイナスの、水素原子がプラスの電気、それぞれ電気を帯びていて、これを分極と申します。分極した分子は数あれど、水の分子の分極は、とっても強い部類です。そして、水のプラスとイオンのマイナス、水のマイナスとイオンのプラス、引きつけ合って、イオンと水は仲がいい。

空気中の水分子も、イオンとくっつきやすいのです。イオンがとらえて離さない。水がどんどんどんくっついて、ついには塩化カルシウム、固体が溶けて溶液に。溶液になってもしっかりと、イオンが水を離さない。だから、押し入れが乾燥しても蒸発しない、湿気取りの中の水。

空気中の硫酸

どうしてこれがエアロゾルと関係があるの?空気の中にもいるのです、湿気取りの白い粉みたいなやつが。それが硫酸粒子です。

皆さんご存知、硫酸は、さわるとやけどをしてしまう、とても恐ろしい物質です。でも、空気中には意外に多い、そこかしこに漂っている。生き物や火山から出てた物質が、紫外線などに当たってつくられる。石油を燃やしてできた物質からもつくられる。ただ、硫酸とはいえごく微量、べつにやけどはいたしません。

そして硫酸もやっぱりイオン、水の中では二つに分かれる、プラスの電荷の水素イオン、マイナス電荷の硫酸イオン。

硫酸粒子がどうやって、雲粒を作る手助けを?それもやっぱり湿気取りとおなじ、イオンが水を引き寄せる。それがとっても強力で、表面張力に打ち勝って、水の分子を引きつけて、小さな雲粒も大きくなれる。

どんな硫酸粒子でも雲粒になれる?それがそうでもないのです。だんだん雲粒が大きくなると、次第に硫酸が薄まって、引きつける力が弱くなる。硫酸が薄くなるその前に、雲粒が大きくなれないと、やがて効き出す表面張力、成長が止まってしまいます。

だから、あんまり小さな粒子じゃだめで、核になるのに必要なのは、それなりに大きな硫酸粒子です。

ところで硫酸粒子ですが、どうやって生まれ、どうやって大きくなるのでしょう?最初に生まれる硫酸は、分子単位の小さな奴ら、雲の核にはなれません。でもこの硫酸分子たち、水の分子と仲が良く、空気中の水分を捕まえます。たとえ水蒸気が飽和していなくても。

一旦水分子を捕えると、こんどはその水分子、空気中の硫酸分子を引き寄せる。硫酸分子を捕まえて、水の分子を捕まえて、他の硫酸粒子まで、いろんなものを捕まえて、硫酸粒子は大きくなります。硫酸粒子が大きくなること、これを凝集と申します。

小さい粒子は比較的、成長するのが早いです。すくすく成長、大きくなって、大きいと言っても 1 μm、でも、核になれるには十分です。

大きくなった硫酸粒子、でもこれだけじゃ、雲粒にはなれません。水蒸気の飽和が必要です。水蒸気が飽和して、いつでも水になる準備ができた、そこで硫酸粒子の出番、核になって水分子を集め、表面張力のじゃまをものともせずに、どんどん大きくなっています。

大きくなった水滴で、どんどん薄まる硫酸濃度、でも、一度大きくなったなら、表面張力弱まって、過飽和の水蒸気から、水を集めることが出来、雲粒へと成長していくのです。

まとめ

それではおさらいをいたしましょう。空に浮かんだ雲粒は、簡単にできるわけではありません。それには二つの条件が必要、一つは過飽和の水蒸気、もう一つは雲の核。硫酸粒子なら何でも核になれるわけではありません。ある程度の大きさが必要です。

さてさて、次回はいよいよスベンスマルク、何を言ったか見ていきましょう。

なお、ここでは雲の核として硫酸の粒子のことについてのべました。でも、そのほかにも雲の粒子になる物質があります。たとえば、硝酸などの窒素酸化物系の物質。また、海塩核と呼ばれるタイプのものもあります。海のしぶきが蒸発し、その後に残された塩の固まり。これが風に巻き上げられて雲の核になるのです。

そのほかにも核になるものはあります。イオンでないタイプの核もあります。たとえば土ぼこり。濡れやすいタイプのほこりに凝結が起きると、最初からべたっとほこりの表面に水が広がるので、小さな球形の水滴の場合に比べて表面張力が弱く、雲の核になることができます。そのほか、ある種の有機物も核になれます。この種の物質は、水の性質を変えて表面張力を減らすので、核になれるのです。

雲の核のこと、いろいろと掘り下げるとおもしろいのですが、今はこのくらいで。いずれ、エアロゾルと温暖化の関係に触れるかも知れませんので、その時にお話ししましょう。


タグ 記事:みんな大好きスベンスマルク はてなブックマーク - みんな大好きスベンスマルク (5) 雲も大事だスベンスマルク (下)
2009.09.23 Wed l 懐疑論(研究者アホアホ系) l COM(0) TB(0) | top ▲

コメント

コメントの投稿












       

トラックバック

トラックバックURL
→http://onkimo.blog95.fc2.com/tb.php/75-9ec279e4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。