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窒素の原子の原子核、ナイトロジェン(=窒素)の原子核、陽子と中性子が七個ずつ、お互い手と手を取り合って、強い絆でつながれた、とても仲の良い家族、ナイトウ一家と申します。

ある日末っ子陽子が言った、一度宇宙が見てみたい、ナイトウ一家が暮らすのは、大気の底の海面近く、暖かいけど狭苦しい、この分子(ひと)ごみから離れたい、広い宇宙が見てみたい。

それでは見せてあげようと、一家を挙げての大移動、山のあなたの空遠く、いや、空のあなたの宇宙には、幸い住むと人のいう、ああわれ人と尋(と)め行(ゆ)きて、上へ上へと昇っていきます、地上の近くは対流圏、その上にあるは成層圏、オゾンの層のそのまた上へ、中間圏から熱圏と、空の高みへ向かうのだ、さあ、出発だ、ナイトウ一家は旅を始めました。


宇宙目指して昇っていく、旅の途中の成層圏、と、そこに飛び込む宇宙線、あっという間もありません、身をかわす暇があればこそ、ぶつかってきたのは一個の陽子、星々の先のそのまた遠く、銀河の果てからはるばると、光の速さで飛んできて、窒素の原子にぶつかった、青天の霹靂とはこのことか、仲良く暮らすナイトウ一家、固い絆で結ばれていても、あまりに強いその衝撃、離ればなれになってしまうのです。



前の記事で取り上げたのは銀河宇宙線です。この銀河宇宙線は直接地上に届くわけではありません。大気がじゃまをするのです。もちろんばらつきはありますが、たとえば 20 km くらいの高さで大気中の原子核、窒素や酸素などの原子核ですが、と宇宙線の衝突が起こるみたいです。

この激しい衝突によって普通にはみられないいろいろなことが起きるみたいですね。場合によっては核が壊れたりしますし、「ハイペロン」とかなんとかいう変な粒子ができたりもするみたいです。

高エネルギー物理の世界は私にはよくわかりませんね~。とってもおもしろそうですが。




結びついてた陽子と中性子、手と手をつなぎまとまった、何が起きても離れない、おまえを絶対離さない、絡み合うのは指と指、盛り上がるのは力こぶ、それを引き裂く宇宙線、手と手は離れず済んだのだけど、腕を根こそぎもぎ取られ、ばらばらになる原子核、仲良く暮らしたナイトウ一家、地上の近くでぬくぬくと、平和に暮らせば良かったものの、大気を上ってきたばっかりに、宇宙線との大衝突、衝撃により一家は離散、結果は悲惨、ばらばら無残、破片が飛散、悲劇が襲いかかったのでした。



さて、飛び散った破片、その中に、根こそぎもぎ取られた腕の、まるまるとふくらむ力こぶ、くるっと丸い粒子となって、原子核から飛び出します。

飛び出す粒子の名はパイオン、湯川秀樹がその天才で、観測されるその前に、予言しましたこのパイオン、はじめて日本のお国まで、やってきましたノーベル賞、その受賞の理由がまさに、パイオンなのでありました。

ところがところがそのパイオン、原子核のその外で、存在できるは須臾の間、大変短いその寿命、程なく死んでしまいます。

パイオンの死骸から、生まれ出でるは二つの粒子、その一つはニュートリノ、他粒子(ひと)とほとんどふれあわない、幽霊のような小さな粒子、飛んでいきます光の速さ、たとえ火の中水の中、地球が立ちふさがろうとも、我関せずと突き抜けて、宇宙の果てに消えていきます。

後の一つはミューオンです、ちょっと不思議なこの粒子、その正体は大きな電子、大きな粒子の宿命で、これも程なく崩壊します。死にゆく運命(さだめ)のミューオンの寿命、パイオンよりは長けれど、光の速さで飛んだとて、走れる距離は数百メートル、とても地上にゃ届かない。




パイオンは、π中間子とも呼ばれています。湯川秀樹さんがその存在を予言して、その後、観測で実際に発見されたので、日本で初めてのノーベル物理学賞を受賞することになりました。このパイオン、実は強い相互作用とよばれる陽子や中性子を原子核の中にまとめている力に関係する粒子です。

パイオンは非常に寿命が短い。原子核の外では生きていけないのです。1 億分の 3 秒ほどで、崩壊してしまいます。光の速度を持ってしても、ほとんど動くことができません。

パイオンが崩壊してできるのはニュートリノとミューオン。ニュートリノはご存じの方も多いでしょう。1987 年、大マゼラン雲で爆発した超新星からのニュートリノを観測して、小柴昌俊さんにノーベル賞がもたらされました。

このニュートリノ、廃鉱となった鉱山の地下深くに設置された装置で観測されることからもわかるように、他のものとあまり相互作用しません。だから、今回の話には関係ありません。

一方のミューオン。こちらは本文にも書いたように大きな電子です。世の中の素粒子は三つの世代にわけられるのですが、電子は第一世代に属します。第2世代の電子に当たるのがミューオンなのです (ちなみに第3世代ではタウオンと呼ばれる粒子になります。)

これもまた実に寿命が短い。パイオンよりは長いですがね。だいたい五十万分の一秒ぐらいです。これでは光の速さでも数百メートルしかすすめません。20 km もの高さから、地表に達することなんてできませんね。

でも、このミューオン、地表で観測されているのです。なぜでしょうか…。

なお、前の記事で述べた陽子などの宇宙からやってくる粒子は一次宇宙線と呼ばれています。そして、それが大気中の原子核などとぶつかって生成した粒子を二次宇宙線と呼びます。地上で観測されるのは主に二次宇宙線です。




ところがそこにやってきた、物理学者のアインシュタイン、呪文を唱えりゃあら不思議、遙かに思えた地上への、遠い道のり縮まって、寿命が尽きるその前に、地表の近くに降りられる。

地上に落ちる道すがら、いろんな分子とぶつかるミューオン、電子を蹴飛ばし進みます、崩壊するまで精一杯、いろんな分子にちょっかい出して、地上を目指してかっ飛びます。やがてつきたるその寿命、地表に届かず壊れるも、通り道には多数のイオン、これがやがては雲の素、スベンスマルクの見いだした、雲生成のメカニズム、そこで大きな役割果たす、宇宙線のミューオンのお話、これにて一巻の終わり…。



相対性理論によりますと、光の速度で突っ走る物体は進行方向に縮んで見えるとのこと。光速に近い速度で地球に向かうミューオンから見ると、20 km ほどもあった大気の層が 1 km 以下になることもあるのです。この効果をローレンツ収縮と言い、おかげでミューオンは崩壊する前に地表近くに到達することができるのです。

一方で地球からは、ミューオンの時間がゆっくり進んでいるように、つまり、寿命が延びているように見える。これは浦島効果として有名ですね。とにかく、相対論的な効果のおかげで、その短い寿命にも関わらずミューオンは地上近くにまでたどり着くことができるのです。

ミューオン以外の粒子の多くは、地上に届く前に大気の分子と相互作用してしまったり、パイオンのようにあっという間に崩壊してしまったり、はたまたニュートリノのようにあまりにも相互作用をしないので検出できなかったりで、地上にで観測することができません。ですから、地上で観測される二次宇宙線の大半はこのミューオンだそうです。

さて、ミューオンは巨大な電子。電荷を持っていますから、分子と相互作用します。分子が持つ電子をはじき飛ばしたりすると、その分子は電荷を持った粒子、つまり、イオンとなります。このイオンが雲の形成に関わる、というところから、スベンスマルクの説につながっていくのです。

ということで、ずいぶんいい加減な説明でしたが、これでスベンスマルク説に関わる宇宙線の知識、というより、私が持っているイメージを一通り語ったつもりです。いや、もてる全知識を書いてみた感じですね、ははは…。スベンスマルクに関係ない話も結構混ざってますね (^^;)  

まあ、ウェブにはいろいろ資料が転がっていますので、興味のある方は調べてください。

次回は雲の話をいたしましょう。

タグ 記事:みんな大好きスベンスマルク はてなブックマーク - みんな大好きスベンスマルク (3) 宇宙線だよスベンスマルク (下)
2009.09.03 Thu l 懐疑論(研究者アホアホ系) l COM(0) TB(0) | top ▲

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