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一連の記事の第一回目はこちら
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放射伝達論について語る前に

以前の記事で、放射伝達論はとても難しいと書いた。それをこのブログで文章だけで説明することは、はっきり言って不可能。でも、そんなこと言っていては、僕がここでしゃべっている意味がない。だから、できるだけのことはやってみよう。

とりあえず、この文章の目的、「温室効果ガスが増加することによって、大気が放つ赤外線がどう変わるか」を理解する、そのための、必要最小限のことを知ってもらいたいと思っている。

なお、話を簡単にするために、以後の説明は、厳密性を犠牲にしている。どの記事でも犠牲にしているのだけど、この記事と、これに続く記事では特にそうだ。ほんとうにちゃんとした議論をしようとしたら、数式を多用して、その上、何倍もの文章が必要になってくる。でも、この記事でそんなことをやる気はない。

みんながなんとなくわかった気になってくれれば、僕は満足だ。それさえも難しいと思うけど。

光る気体

最近の一連の記事は、温室効果ガスの増加で、大気の赤外線での輝きが増すことを理解してもらうために書いている。放射伝達論は理解のためになくてはならない道具だ。

でも、放射伝達論の説明の前に、次のことを考えておこう。大気が赤外線で輝くって書いたけど、それってどういうことなのか?ということを。

気体が光ることについて、最初は赤外線ではなく、可視光線で考えてみよう。

可視光線で輝く気体を、見たことがあるだろうか?みずから光っている気体をみたことがあるだろうか?

身の回りで自らひかるものは、だいたい固体が光っている。白熱灯はその代表例。電球の中の、タングステンでできたフィラメントが光っている。蛍光灯は、管に塗られた蛍光物質が、蛍光管の中で生まれた紫外線を受けて可視光線を出すことによって光っている。LED は、半導体そのものが光る。やっぱり固体だ。

でも、気体が輝いている光源も、ないではない。まず、太陽がそうだ。水素とヘリウムを主成分としてそのほか少量の不純物を含む太陽は、高温の気体(正確にはプラズマだけど)の固まりで、内部の核融合を熱源としてぎんぎんに輝いている。そのほかの光る気体として身近な物は、ナトリウムランプか。あの、高速道路などで見るオレンジ色の光だ。あれは、管の中に封入されたナトリウムの気体が電子にたたかれて光を出している。

あとは、各種の炎もそうだ。でも、一番身近な、オレンジ色の光をめらめらと放つ炎、あれは中で加熱されたすすが輝いているためだから、ちょっと違うのかな?一方で、ガスコンロの青い炎は気体が光っていると言っても良さそう。あの青い光は、酸素とガスが反応する途中の生成物によるものだそうです。生成物は、固体ではなさそう。

でも、これらの光源から、輝く気体のイメージをつかんでもらうのは難しそうだ。ぎらぎら輝きすぎている太陽やナトリウムランプは、固体が光っているものと違いを感じにくいし、ガスコンロの炎は小さすぎてイメージをつかんでもらえないだろう。

だから、ちょっと趣向を変えて、自ら光っている訳じゃないけど、ほかの光を「散乱」している物を考えてみよう。

散乱、って、何かわかるだろうか?wikipedia によると、

散乱(さんらん, Scattering)とは、光などの波や粒子がターゲットと衝突あるいは相互作用して方向を変えられること。


となっている。

その通りなのだが、このブログはイメージ優先なので、その観点から説明をすると、次のような感じ。

小さなガラス片をばらまいたところを想像してほしい。光を当てるときらきらと輝く。ガラス片は、入ってきた光をいろいろな方向に反射する。これが、「散乱」という現象だ。

ガラス片よりもっと小さな粒子でも、散乱を起こすことがある。たとえば、雲や霧だ。雲や霧を構成しているのは、小さい水の粒。これに光が当たると、いろいろな方向に反射する。あまりにも粒子が細かくて数が多いので、ガラス片の場合と違ってきらきらとは見えずに、白くもやがかかって見えるけど、やっぱり散乱だ。もし散乱が起きなければ、雲や霧は見えない。

雲や霧の粒よりもさらに小さい、窒素や酸素の分子も光を散乱する。空気の主成分の分子たちだ。無色透明な空気が散乱する、なんて信じられないかもしれないけど、僕たちはその散乱の結果を日頃見ている。青空だ。

青空

子供の頃の僕には、空は不思議な存在だった。あの青は、いったい何を見ているのだろう。どうして昼は青くて夜は見えないのだろう。逆に、どうして夜に見えている星が昼は見えなくなるのだろう。

空に青い膜でも張っているのだろうか?

もちろんそんなことはなくて、あの青は、太陽の光が大気によって散乱された物を見ている。光、という電磁波が、分子の中の電子と相互作用して起こる、「レイリー散乱」と呼ばれるタイプの散乱だ。

長い波長の光は分子をやすやすと跨ぎ超すことができるからあまり散乱されないけれど、短い波長の、いわば歩幅の狭い光は散乱されやすい。青い光は赤い光より波長が短いため、より強く散乱を受け、結果、空は青くなる。

決して空に青色の膜が張っているわけではない。空の青さは、目の前から宇宙の境目までの大気が光を散乱することによって生じている、ということは、つまり、大気全体を眺めている、ということになる。

また、昼間星が見えないのは、星に比べて大気が明るいからだ。大気は透明で、宇宙からの光をすかすか通す。本当は星が見えていてもおかしくはない。でも、手前にある大気が明るいから、眼はそちらばかりを見てしまって、それよりも暗い星の光に気づかない。

だから、宇宙にある物が大気より明るければ見えるはず。現に太陽は見えるし(でも眼を痛めるから見ちゃだめ)、条件によっては、月も見えたりする。昼に月を見たことがあるだろうか?見たことのない人、このページに「昼間の月」って入力して画像検索したら、写真がいっぱい出てくるから参考にしてほしい。月はかなり明るいので、空の青、というじゃまがあっても、大気の底から見ることができる、というわけだ。

なお、レイリー散乱は、そんなに強く起こっているわけではない。空じゃなくて身の回りを見回してほしい。空気に色がついているだろうか?そんなことはなく、無色透明に見える。本当はその辺の空気もレイリー散乱を起こしている。つまり、青い光を散乱しているはずだけど、すこししか青い光がでないので、人間は気づかない。ただ、空を見上げたときだけ、つまり、頭上何十キロにも及ぶ空気の層全体を眺めたときだけ、その青さに気づくのだ。

まとめ

空の青について長々と述べてきたけど、これは単なる僕の趣味。本題と関係ないことはないけど、話の進め方としては、ちょっと遠回りかなと思っている。ごめんなさい。

それでも、青空のことを考えたおかげで、大気が光るとはどういうことか、何か感じてもらえたらうれしい。

もう長くなってしまったので次回になるのだけど、放射伝達の解説で使う散乱現象としては霧を考える予定だ。霧を使った実験を頭の中でやってもらって、放射伝達から導かれる重要な概念を述べよう。

タグ 記事:飽和論
タグ 記事:飽和論 はてなブックマーク - 温室効果のメカニズム(5) 青空
2009.03.31 Tue l 温暖化論概論 l COM(0) TB(0) | top ▲

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