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この記事を読む前に、こちらの記事から順に読んで、赤外線を感じられる眼を持ってください。
一連の記事の第一回目はこちら
前回の記事は、こちら


前回の記事、「雪景色」で、赤外線の眼で見た雪景色について述べてきた。実は、前の記事はこの記事の導入部分だった。お察しの方もいると思うけど、この記事では「放射冷却」の話をしようと思う。

地面が赤外線を出して冷える

雪景色を赤外線の眼で見ると、雪面が輝いているのが見える。

雪面が赤外線を放つ、ということは、赤外線という形でエネルギーを失っている、ということになる。そのエネルギー源は、この場合、雪面の熱エネルギーだ。雪面のぬくもり(雪がぬくい、なんて、変な気もするけど)が赤外線に姿を変え、空に向かって逃げていく。

そうやって冷える一方で、こんな雪の積もった静かな夜には、雪面を暖めるメカニズムは、あまりない。

地面の下の深いところは雪面より暖かいのだけど、その暖かさは雪の断熱効果のせいでなかなか伝わってこない。

空気は、温度が地面より高ければ、雪面を暖める。でも、空気の熱容量はとても小さい。つまり、雪面に熱を渡すとすぐに温度が下がり、暖める効果は小さい。

それでも上空の比較的暖かい空気が降りてくることができれば、地表の空気の温度は上がるはずだけど、風のない日は空気がかき混ぜられることがない。それに、雪面に熱を奪われた下層の空気は重たくる一方で、上の大気は軽いままだから、大気が「安定」になる。なおさら地面付近の空気が動きにくい。雪面は接している冷たい空気からしか熱をもらえないのだ。

ほかに、暖める効果はないか?実は、ある。空から雪面に降り注ぐ赤外線だ。

先の記事では、赤外線源として、星、月、大気を考えた。月と星からの赤外線は少ないので考えないで良いだろう。でも、大気からの赤外線は、無視できない。地面を暖める効果がある。

ただ、雪面から放たれる赤外線に比べて、降り注いでくる赤外線は少ないので、その効果を考えても雪面は冷えていく。結果、地面はがんがん冷えていくことになる。

放射冷却

赤外線を放つ、という、放射を通して温度が下がるこの現象を、「放射冷却」と呼ぶ。天気予報などで聞いたことがあるだろう。

本来、「放射冷却」とは、放射によって熱を奪われる現象一般を指す言葉。だけど、日常では主に天気の話で使われる。その使われ方も、「今夜は晴れで、放射冷却が起きるので、明日の朝は気温が下がるでしょう」といった感じだ。

晴れても曇っていても地面は赤外線を放射するから、本来の意味で使うなら、「放射冷却」はおきるので、この文章はほんとうはちょっと変。でも、細かいことを言うのはやめて、この記事でも世間で用いられているような使い方をしよう。混乱の元ではあるけど、いい加減なこのブログにはちょうど良いかも。

さて、放射冷却が起こると、地表の気温が下がる。特に、冬は元々寒いこと、空気中に水蒸気が少ない、つまり温暖化ガスが少ないことと相まって、非常に気温が下がり、人々の印象に残りやすい。

日本で記録的な低温が観測されるとき、この放射冷却が起きていることがほとんどだ。ちなみに、日本での最低気温は、旭川で 1902 年に記録された -41.0 ℃。ひえー。これも、上空に強い寒気が入ってきたこと、盆地で冷たい空気の逃げ場がないことにあわせて、放射冷却により熱が奪われたのが原因だ。

ただ、放射冷却が起きるような日は天気がいいので、朝になって日が昇ると、すぐに気温が上がり始める。また、風も吹いていないので、日中はそんなに厳しい天気ではない。以前、北海道にスキーに行ったときに、まさにこの放射冷却で、最低気温がマイナス 30 ℃にもなった日に当たった。でも、朝ご飯を食べて、スキーウェアに着替えてからゲレンデに出たら、快適だった。

「放射冷却」の起きない日

さて、放射冷却は、晴れの日に起きる。では、曇りの日はどうなっているのか?

赤外線の眼で雲を見ると、雲は輝いている。といっても、地上よりは暗いわけだけど。それでも、こんな雪の日の、雲のない場所の大気が発するものよりは、ずっと強い赤外線を放っている。そのため、晴れている日に比べて、より多くの赤外線が地上に届く。

そのせいで、雲がある日は「放射冷却」が弱くなる。雲は、その温度に対応した赤外線を出している。一般的に、標高が高いと温度が低い。だから、低い雲がたれ込めていた方が、「放射冷却」は起こりにくい。

なお、雲の温度は、雲自身が地面の発した赤外線を吸収することで、暖められ、そのせいで、より強く赤外線を発することになる。つまり、雲があることで、地面の発した赤外線の一部がかえってくることになる。

雲は、地表の発した熱(赤外線)をこもらせ、保温する効果があるわけだ。このことを雲の毛布効果と呼ぶことがある。(ちなみに、雲の毛布効果は、温暖化予測にも関連している。いつか取り上げることがあるだろう。)

まとめ

放射冷却について述べてきた。

赤外線を持つ眼で見ると、冬の晴れた空は暗い。一方で、地面は明るく赤外線を放っている。赤外線は、地面から熱を持ち去る。一方で、地面を加熱する効果は弱い。だから、放射冷却が起きると気温がどんどん下がる。

曇りの日には、雲が赤外線を発して、地上を暖める効果がある。そのため、晴れた日ほど地表の気温は下がらない。

さて、そろそろ温暖化のことについて語りたいけれど、まだ本題には入れない。次の記事では温暖化のメカニズムを理解するための、放射伝達の基礎知識について、話そうと思う。から、温暖化のメカニズムを理解するための、放射伝達の基礎知識について、話そうと思う。まずは、大気が光る話から…

タグ 記事:飽和論
タグ 記事:飽和論 はてなブックマーク - 温室効果のメカニズム(4) 放射冷却
2009.03.26 Thu l 温暖化論概論 l COM(0) TB(0) | top ▲

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