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この記事は三回続きの記事の二回めです。先にこちらをお読みください。

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私、onkimo は思う。この、中国が反対を試みて失敗し、孤立してしまった IPCC の状況から、面白い陰謀論が書けないだろうか。

私は以前の記事で、温暖化懐疑論を、科学的事実を批判する「(温暖化研究者)アホアホ論」と、温暖化が捏造だとしてその背後にうごめく企みを描く「陰謀論」に分けた。

「陰謀論」まあまあ面白い。もちろん、人為起源 CO2 による温暖化を捏造だとするその姿勢には納得できないが、それでも、面白いのだ。そんな陰謀論で代表的なのは、田中宇さんのものだろう。

近年、力を伸ばしつつある発展途上国。その力を抑えこみ、いまの国際秩序を維持したいと考えている西側先進国は、人為起源 CO2 による地球温暖化論を持ち出した。CO2 排出を抑制させることで発展途上国の工業化を妨害し、経済発展を遅らせるために。

ここでは代表的な陰謀論をとして、田中さんのこの記事の一部を要約した。代表的、とは書いたものの、陰謀論のバリエーションは意外に少ない。CO2 温暖化論の捏造と国際関係をからめて論じているのは、基本的にはこの田中さんのストーリーと、あとは、これも田中さんがよく書いているが、温暖化を問題視するヨーロッパとそれに反対するアメリカのせめぎあい。私の見たところでは、そのふたつのパターンくらいしか存在ない。

そして、この手の話には、西側先進国の意図のみが書かれている。先進国の標的となる、発展途上国の側の意思は、ほとんど書かれていない。先進国の攻撃に対して、ただ受け身にまわっているだけだ。

田中宇さんのブログでは、他のテーマであれば、さまざまな国が登場する。もちろん欧米のことが中心に描かれるのは確かだ。しかしながら、発展途上国も、重要な役割を担っている。たとえば、アラブ諸国、イスラエル、ロシア、そして、中国。田中さんのブログの中では、先進国とこれら新興国のせめぎあいが活写されている。

ところが、温暖化がからんだ話となると、とたんに話はしぼんでしまう。先進国の陰謀のみが描かれ、新興国側についての描写になると寂しい限りだ。

田中さんに限らず、他の陰謀論者にしても、そうだ。書かれているとしても、ロシアが排出権取り引きでホクホク顔、と述べるのがせいぜい。気候研究を背景にした、国際的なパワーゲーム。その舞台での重要な役者であるはずの新興国には、陰謀論の中では端役しか与えられていない。

それでは、温暖化を巡る国際政治の中で、新興国はとるにたらない存在なのだろうか?

新興国を代表して、中国をとりあげよう。中国は、IPCC に科学者や官僚を派遣している。IPCC だけではない。中国は、その他の国連系をはじめとする国際的な気象、気候の国際組織(WMO など) にも人間を送り込んでいる。つまり、気候研究において、中国は自身の意見を表明する能力があり、また、実際にそうしている。その一端が垣間見えるのが、近藤さんの記事だ。

中国は、温暖化問題にまつわる気候研究のフィールドで、先進国に突きつけられた温暖化理論と戦うために、十分な準備をしているはずなのだ。

国際政治の舞台では、中国は昔から大国だ。安保理の常任理事国であることをはじめ、大きな発言権を持ち、さらに、それを出し惜しみすることなく、行使してきたように私には思える。

20 世紀には、隣国の紛争に介入し、アメリカや、時にはソ連を相手に堂々とわたりあってきた。現在でも、唯一の超大国であるアメリカと対等に戦っている。ロシアと必要に応じて組み、非米国であるベネズエラから石油を輸入し、西側から人権問題で非難をあびながらも、スーダンで利権の獲得に血道をあげている。

決して西側諸国の操り人形ではない。中国は、強烈な意思を持って行動する存在なのだ。

言うまでもなく、国際政治の舞台では、もはや新興国の役割りを無視できない。この二十年ほどで、世界は大きく変った。冷戦時代の、米ソ二極対立。その後、アメリカが唯一の超大国として君臨し、それに EU だけが対抗しえた、西側先進国主導の時代。BRICs をはじめとする新興国の勃興。そして、今。世界を襲うの金融危機は、アメリカの凋落の足音なのか。

今のウェブでは、このあたりの事情を踏まえて国際社会がえがかれている。多くの登場人物たちが織り成す、利害の対立。国際関係を動かす、軍事力、経済力、そして、ソフトパワー。剥き出しの、もしくは、巧妙な、力のぶつかりあい。描き出された国際社会は、複雑で、きらびやかで、そして、躍動感にあふれている。

なぜ、地球温暖化に関する陰謀論だけがとりのこされているのだろう。一世代前の、先進国主導時代の体制。体制側の国家から一方的に押しつけられる、CO2 による温暖化という捏造された事実。それを諾々と受けいれる発展途上国。なぜ、単調で、痩せ細った世界観しか提示できないのか。

これは、陰謀論者の知的怠慢ではないのか?

実は、私は陰謀論が好きだ。温暖化研究者が捏造している、という記述などは腹が立つが、それでも政治の裏側を読むのは、たとえそれが架空の話であったとしても、楽しい。

しかし、何度も何度も同じ話を繰り返し聞かされるのは、あきた。捏造された温暖化が、西側先進国が発展途上国に対して突き付けた匕首(あいくち)である、という話は、もう良い。もっと面白い話が聞きたい。

新興国の役割について、せめて、中国の役割について、陰謀論者は解釈できないものか?

今回はここまで。

次回は、なぜ中国が、あの、誇りたかい中国が、IPCC の場で膝を屈せざるを得なかったのかについて私の考えを述べる。

陰謀論ほど面白くないのが残念だけど。

タグ 記事:膝を屈した中国 はてなブックマーク - 膝を屈した中国(2/3)
2008.10.27 Mon l 懐疑論(陰謀論系) l COM(0) TB(0) | top ▲

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