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このブログに来られる人の多くは、槌田敦さんについてよく知っているはずだ。彼は、温暖化懐疑論業界のカリスマの一人だと、私、onkimo は思う。彼についてはのちほど詳しく論じよう。

その槌田敦さんは、こんなことを言っているようである。

CO2 による地球温暖化はまちがいである。なぜなら、ヘンリーの法則によると、地球が温暖化すると CO2 が海洋から排出されるからである。つまり、CO2 の増加は地球温暖化の原因ではなく結果なのである

読者は、この文章の中で知らない言葉に出会うだろう。そして、首を傾げる。いや、言わないでよい。私にはよくわかる。君の心にわだかまる疑問が。

それは、

ヘンリーってだれ?

という疑問だろう。

答えよう。ヘンリーは、英国の科学者だ。

今日は以上。

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もはや書くべき事は残っていないのだが、この記事は、あまりにも短いので、蛇足であるが少し説明をつけくわえよう。

ヘンリーは、いくつかの業績で知られている。その一つが、ヘンリーの法則だ。

ヘンリーの法則は、気体が液体に溶ける様を記述した法則である。

少し説明しよう。以下、ここの目的、水(本当は海水がいいけど、ややこしいので) が空気と接しているときの、水に CO2 の溶ける量について考えよう。これは、ヘンリーの法則で記述できる。

この場合にヘンリーの法則を当てはめると、水に溶けた CO2 の濃度は、次のように説明される

水に溶ける CO2 の濃度は、空気中の CO2 の分圧に比例する。

ここで、CO2 の分圧とは、空気から窒素、酸素、アルゴンなど、CO2 以外の全気体の分子をとりのぞいた時の気体の圧力だ。これは、空気(全体)の圧力と、空気中の CO2 の濃度 (正確にはモル濃度というもの) の積から計算できる。

本当はうじゃらうじゃらといろんな条件が付くのだが、面倒くさいから書かない。気になるなら他で調べてくれたまえ。

これを数式であらわしてみよう。数式が嫌いなことはよく知っているが、がまんしてついてきてほしい。

henly_eq.gif


これがヘンリーの法則を表した式。ここで、C は水中の CO2 濃度。p_{CO2} は、CO2 の分圧、そして、k は比例定数だ。

(いちいち式を画像として張り付けるのが面倒くさいので、LaTeX 的な書式を用いる。LaTeX が何か、なんてここではどうでも良い。_(アンダースコア)に続く中括弧内の文字は、下付の添え字を、^(ハット)に続く中括弧内の文字は、上付きの添え字をあらわしている。脳内で変換してもらいたい)

式を見れば、CO2 分圧 p_{CO2} が増えると、濃度 C がそれに比例して増加することがわかるだろう。分圧 p_{CO2} が 2 倍になれば濃度 C も 2 倍に、1/2 になれば、濃度 C も 1/2 に。

この式には、もう一人、役者がいる。それは、比例定数 k だ。この比例定数は、温度によって変化する(先ほどはあえて書いていなかったが、ヘンリーの法則は、温度が一定の時に成り立つ)。ほとんどの場合、温度が高いほど k の値は小さくなる。つまり、p_{CO2} がおなじ場合、温度があがると N は小さくなる。つまり、水中の CO2 濃度が減る。つまりは、水にとけていた CO2 が空気中に放出される、ということだ。

理解しただろうか。次のテストに出るから、早く帰って、しっかり復習するように。今日は以上だ。


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おや、早く帰るように言ったはずだが…。

まだ話が聞きたい?仕方ないな、それでは、さらに蛇足を付けくわえよう。

ここでは、ヘンリーの法則について、物理的な説明をしてみようと思う。

CO2 が水 (H2O) に溶けるとき、どんな化学変化がおこるか知っているだろうか?

二酸化炭素は水と反応して、

henly_co2.gif

といった反応がおきる。つまり、水分子とくっつき、水素イオン (H^{+}) を放出してマイナスの電気を帯びるのである。以上の式では右向きの矢印のみ書いたが、本当は逆方向の反応も起きていて、水中には HCO3 (重炭酸イオン)や CO3 (炭酸イオン)が漂うことになる。

なお、これらの反応では、分子がくっつけばくっつくほどエネルギーが``低く''なる。つまり、くっついたときに熱を出す。別な言いかたをすれば、H2O と CO2 がくっつくと、より安定である、とういことだ。

さて、ここで、趣向を変えて、「スミオとミツコ」という小説から一部を読んでもらおう。

この小説は、CO2 と H2O のあいだの愛憎を描いた大河小説だ。タイトルの通り、主人公はスミオとミツコ。スミオは CO2 分子だ。炭素だからスミオとしたのだと思う。ミツコは水分子。なぜ、"水"'をそのまま名前にしなかったのかはよくわからないが、たぶん作者になにか大人の事情でもあったのだろう。

最初に第 1 章、「出奔」からの引用。
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スミオはいつも、
「この世界は、オレには狭すぎる」
とつぶやいていた。

スミオが暮すのは水の中。いつも空を見あげていた。

広い世界にあこがれた。果てなく広がる空。さえぎるものの無い世界を、飛びまわる自分。

「ちくしょう、ちくしょう」

スミオはいつも、心の中でつぶやいていた。心の中に留めておけず、気付いたら声に出していたこともある。

スミオの悪態を聞くと、ミツコはいつも

「いや。行かないで。私を一人にしないで。」

と言い、顔を曇らせた。

スミオとミツコは一心同体、ふたりでひとつの炭酸イオンを形作っていた。

たまにはけんかになることもあった。出て行く、と荒れるスミオに、ミツコはすがった。すがりつくミツコを足蹴にしながら、でも、最後には、ミツコの涙にスミオは折れるのだった。

だが、そんな生活も終る日がやってきた。

ある日、水分子のクソ親父と大喧嘩したスミオ。

「もうこんな生活、我慢できねぇ。オレはこの水の中がほとほとイヤになった。こんなズルズルべったりの分子間関係、もう耐えられねぇ。」

この日のスミオはいつもとちがった。肚の底から沸きあがる怒り。抑えても抑えても抑えきれない、ふつふつと溢れてくる、憤怒のエネルギー。

荒れた。スミオは我を忘れ、暴れた。

暴れているうちに、何か違和感を覚えた。スミオは傍らのミツコを見つめた。

いつもとちがう。ミツコはすがりつきも、泣きもしない。

ミツコは顔に微笑みさえうかべていた。スミオをどきりとさせる、凄絶な微笑みだった。そして、静かに語り始めた。

「スミオ。もう、私にはあんたを止められない。自由にしたら、いいわ。」

突然の言葉に、スミオは言葉を呑んだ。ミツコは続ける。

「私、わかってたんだ。いつかこの日が来るって。

あんたはこんな、水の中なんていう狭い世界にとじこもって行きていけない。必ず広い世界に飛び出していく人なんだって。」

ミツコの瞳から、熱いものが一滴こぼれた。そして、また一滴。つぎからつぎに、いつしかそれは筋となり、そして、堰を切ったようにあふれだす。

しかし、ミツコのほほえみはそのままだ。声も静かで、かすかなふるえが感じられるだけ。

「今までありがとう。私、あんたと一緒にいられるだけで幸せだった。いつか終るってわかったけど、それに一生懸命気づかないふりをしてた。できるだけながくこうしていたかったから。

でも、もういいの。

あんた、空に飛びだして行って。思う存分飛び回りなさい。そこがあなたの場所なんだから。

私のことなんか忘れて…」

ついに、言葉にならなくなった。ミツコはスミオにしがみつき、泣き出した。スミオはそれを受けとめた。涙を胸に感じながら、ミツコの嗚咽を聞いた。

何ナノ秒の時間が流れただろう…。

涙を拭いたミツコに、スミオは言った。

「いままで、こんなオレと一緒にいてくれてありがとう。そして、ワガママを聞いてくれて、ありがとう。ごめんな。」

「ううん、いいの。私があんたを選んだんだ。覚悟はしてたよ。

あんたには、水の中なんて似合わない。さあ、私のことなんて忘れて飛んでお行き。」

「ああ。」

スミオは最後に一度、ミツコをしっかりと抱きしめた。そして、手を伸ばしてまわりをただよう水素イオンを取り、ミツコに手渡した。

「これ、今まで一緒にいてくれた御礼。ごめんな、こんなのしか渡せなくて。」

「ううん、とっても素敵。ありがとう。大事にする。」

スミオは空気中に一歩踏みだし、水の中の世界から離れる。そんなスミオを周囲の空気がつつみ、空高く持ちあげていく。

天を目指して翔けながらふりむくと、ミツコが両の水素原子を振りながら叫んでいた。

「スミオ、元気でね。あんたの信じたとおりに生きて。

あんたには水の中より、外の世界がお似合いだよ。

でも、もし疲れたら、戻ってきてもいいんだよ。私、あんたのこといつまでも待っているから。」

スミオは大きくうなづき、そして、また前へと目をむけた。

もう、水の中に戻るつもりはなかった。

無限に広がる空が、スミオを待っていた。

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さて、水中では CO2 分子は水分子とくっついて炭酸イオンなどになっているのだが、たまに離れたりもする。ただし、一緒にいるほうが安らかなので、別れるにはそれなりのエネルギーがいる。だから、個々の分子によって事情は違うが、まあエネルギーをよりたくさんもっている炭酸イオンの方が、はなればなれになりやすい。

そして、水面近くで離れた CO2 分子は、ほかの水分子につかまらなければ、外に出て行くことができる。

さらに、水中のいろいろな分子の中で、エネルギーの高い分子の割合は、温度が高いほど大きい。

個々の分子によって事情がちがう、と言ったが、水の中には大量の CO2 分子がふくまれている。コップの中の水にも、世界の人口の一万倍のそのまた一万倍を大きくこえるような CO2 分子が含まれている。そんな多数の中に、個々の分子の事情はうもれてしまい、人間に見える水や CO2 の性質などは、とても安定した、予想可能なものになる。ちなみに、このあたりの事をあつかうのは、物理学の中でも、熱力学と統計力学と呼ばれる分野だ。

だから、全体としては、つまり、個々の分子の事情が見えず、全体的にしか捉えられない人間の見た目には、こんなことが言える。

1-1.
水に溶けた CO2 が多いほど、つまり、CO2 の濃度が高いほど、それに"比例"して、水中から空気中に出ていく CO2 の量が増える。

1-2.
水の温度が高いほど、水中から空気中に出ていく CO2 の量が増える。

1-1, 1-2 については納得してもらえただろうか。まあ、なんとなく感じがつかめてくれた私としても満足だ。

だが、まだ話は半分しか終っていない。1-1, 1-2 だけでは CO2 が水から出ていく一方だ。

残り半分は、空気中から水に入る CO2 の話である。ここでまた、「スミオとミツコ」からの引用だ。

終章「帰還」
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スミオは疲れていた。

確かに大きな空は、スミオに活躍の舞台を与えてくれた。だが、同時にそこは厳しい世界だった。

スミオは常に戦っていた。空気中では、周りは敵ばかり。常に、窒素分子や酸素分子、アルゴン原子みたいな生意気な奴らがスミオに体当りしてくる。図体はスミオより小さいやつが多いのだが、時速数百 km で遠慮なく突進してくる。それも、一秒のあいだに何億回も、やつらとぶつからなければならない。

ついさっきも、すこし油断していたら、窒素分子の奴が突っ込んできやがった。あまりの激痛に、スミオから赤外線が出たほどだ。

空気中の希薄な分子間関係。水中の暮らしとは違う、孤独な日々。ただ殴り、殴られるだけのコミュニケーション。スミオはもう全てがいやになった。もうどうでも良くなっていた。なにもせず、周りの空気の分子から蹴られ、殴られるにまかせた。スミオは気力を、そしてエネルギーを失なっていった。

一体オレは何をしているんだ…。

窒素や酸素にこづき回されながら、スミオは思った。

ふと下を見た。海面がかがやいている。何の悩みもなさそうに、夏の太陽を反射しながら。

オレはここから出てきたんだな。

スミオはつぶやいた。自分が捨ててきた世界。もう戻らないと誓った場所。そして、永遠に別れた、女…

スミオ…

声が聞こえたような気がした。耳をすます。

「スミオ、スミオ…」

誰かがスミオを呼んでいた。いや、この声には覚えがある。

「スミオ、スミオでしょ?ねえ!」

ミツコだ。忘れてしまったつもりが、忘れていなかった。その声は聞き間違いようがなかった。スミオは窒素分子たちをかきわけかきわけ、海面近くに降りていった。

「ミツコ!」

スミオは叫ぶ。ミツコも、両の水素原子をいっぱいに広げ、声をはりあげる。

「スミオ! 元気?久しぶりね! 」

明く、そして懐しそうに、ミツコが呼ぶ。

元気?スミオは一瞬ためらう。今のオレが元気?そんなわけはない。しかし、ミツコにそんなことを知られるわけにはいかない。

「ああ、元気だよ。」

精一杯に虚勢をはってみたが、その声には張りがなかった。スミオは自分でそれに気づき、思わず顔を曇らせる。それを見たミツコは、戸惑いの表情をうかべる。

<ここで、スミオ、空気中の生活をミツコに語る。そして、水の中に戻ってきた経緯も。でも、うざいから略>

ミツコはスミオの胸に飛びこんできた。スミオに抱きつき、胸に顔をうずめ、泣いている。

スミオはミツコの肩に手をかけ、そして一瞬、ためらった。

ミツコは、涙に濡れた顔を上げ、スミオを見つめる。

「ミツコ。オレ、帰ってきちまったよ。もう水の中には帰ってこないつもりだったのに。本当に情けねぇ。」

「何を言っているの?そんなことどうでもいい。

あなたはかえってきた。私は幸せ。それで十分じゃない。」

その通りだった。もうスミオはためらうことなく、ミツコを抱きしめた。ミツコも、スミオにしっかりとしがみついている。

スミオはひとつひとつ、ミツコから水素原子を取りはずした。スミコはされるがままになっていた。水素原子から電子だけを除き、水素イオンとして水の中に投げやる。そうして二人は重なりあい、炭酸イオンとして、ひとつになり、…

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おっと。この後は官能シーンが続くので、お上品なこのブログにはふさわしくない。小説の引用はここまでにしておこう。

空気中では、CO2 分子は主に周囲の分子とぶつかりながら、エネルギーのやりとりをしている。

水面近くに来た CO2 分子のなかで、エネルギーの少いやつ、つまり、元気の無いやつは、水分子と結び付く確率が高い。水分子と結び付く、ということは、つまり、水に溶ける、ということだ。

また、水中の場合と同じで、ここでは逆の言い方をするが、エネルギーの低い分子の割合は、温度が高いほど小さい。

そして、空気中にも多数の CO2 分子が含まれている。これも先に述べた状況と同じで、個々の分子の事情はどうでもよくなる。。

だから、人の見た目にはこうなる。

2-1.
空気中の CO2 の量が多いほど、つまり、他の大気の成分にかかわらず、空気中の CO2 の濃度が高いほど、専門用語で言いかえるなら、CO2 の分圧が高いほど、それに"比例"して、空気中から水中に入ってくる CO2 の量が増える。

2-2.
水の温度が高いほど、空気中から水中に入っていく CO2 の量が減る。

2-1, 2-2 は納得できたかな?

よし、準備が整った。それではヘンリーの法則を説明しよう。

空気中に置かれた、水の入ったコップを考えてほしい。温度は一定であるとしよう。また、空気中の CO2 の濃度も一定であるとしよう。

もし、水中に入っていく CO2 の量が出ていく量より大きかった場合、水の中の CO2 が増えていく。つまり、CO2 の濃度が上がっていく。すると、1-1 から、空気中に出ていく CO2 の量が増えることになる。増えるといっても、いつまでも増えることができるわけではない。水中に入ってくる CO2 の量はかわらないから、その量と同じだけの量が空気中に出ていくようになったとき、濃度の変化が終わる。

つまり、水中の入ってくる CO2 の量と出て行く CO2 の量が釣り合ったとき、水中の CO2 の濃度は変化しなくなるわけだ。

この釣り合い、というのはとても大事な概念で、物理学のいろいろな場所に出てくる。釣り合いには、平衡、というちょっと難しい熟語があてられている。衡ははかり。はかりが平になったところ、つまり、つりあっている、という意味の熟語だ。

ちょっとくどくなるが、平衡について言いたいことがある。水に溶けた CO2 の場合、濃度が変化しなくなったからといって、決して水中と空気中のやりとりが止まっているわけではない。やりとりは行なわれていて、それがつりあっている、というだけだ。平衡とは、なんとなく静かな状態を連想させるが、ある種のダイナミックさをその裏に隠しもった概念である、ということを心にしっかりと留めておいてほしい。

すこしまわりみちになった。ヘンリーの法則に戻ろう。

平衡状態になった水がある。ある時、空気中の CO2 濃度が倍増したとしよう。正確に言うと、分圧が倍増した、ということだ。

すると、水中に入っていく CO2 の量が増える。入って行く量は、CO2 の分圧に比例するので、この場合は倍増する。すると、水中の CO2 濃度が増えはじめる。水中の CO2 濃度が増えはじめると、大気中に出ていく CO2 の量も増える。最終的に、出て行く量と入ってくる量がつりあう。そう、つまりは平衡状態になる。

この平衡状態を、CO2 倍増前の平衡状態と比べてみよう。

空気中の CO2 分圧倍増
→ 1-1 より、水中へ入る CO2 量倍増
→ 平衡状態にある、ということは、空気中に出る CO2 の量も倍増している
→ 1-2 より、水中の CO2 の濃度が倍になっている

つまり、平衡状態においては、

CO2 の分圧倍増 → 水中の CO2 濃度倍増

この議論、分圧倍増の時だけにあてはまるわけではない。もうすこし一般的にすることができる。つまり、

平衡状態では、CO2 の分圧と水中の CO2 濃度は比例する。

気付いただろうか?これがヘンリーの法則だ。

もう少し、話すことがある。温度についてだ。

温度が上昇するとどうなるか。先の分圧増加時と同様に考えてみよう。

平衡状態になった水がある。ある時、空気の温度が上昇したとしよう。水の温度も、空気の温度と同じく上昇したとする。

すると、2-2 から、水中に入っていく CO2 の量が減る。一方で、1-2 から、水中から出ていく CO2 の量が増える。差引すると、水中から空気中に CO2 が出ていくことになる。すると、水中の CO2 の水中の CO2 濃度が減るから、1-1 より、空気中に出ていく CO2 の量が減る。最終的に、濃度が十分に減って、空気中に出ていく CO2 の量が入ってくる CO2 の濃度とつりあったところで、つまり、平衡状態になったところで、水中の CO2 の濃度がきまる.

この平衡状態を、温度を上げる前の平衡状態と比べてみよう。

1. 水の温度上昇→空気中に放出される CO2 の量が増える。
2. 空気の温度上昇→水に溶けこむ CO2 の量が減る。
3. 1.2. より、 水中の CO2 の量が減る。
4. 水中の CO2 の濃度が減ることにより、空気中に出ていく CO2 の量が減る。
5. 最終的に、空気中から入ってくる CO2 の量と水中から出ていく CO2 の量がつりあって、あたらしい平衡状態となる。

つまり、平衡状態においては、

水の温度上昇→ 水中の CO2 の濃度減少

となるわけだ。

水にとける CO2 と温度の関係、わかっただろうか?まあ、ろくな解説ではないので、わからなくてもきにしないでほしい。

きょうはこれで本当におわりだ。早く帰ってヘンリーの法則を復習しておくように。





終わりといったにもかかわらず、追記

「スミオとミツコ」の最後にある注意書きを引用していた方がよいだろう。

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この物語はフィクションであり、実在の分子及び化学反応とは一切関係ありません
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さらに追記

ヘンリーの法則を語る際、平衡から平衡への遷移で、説明を行った。

本当は、平衡状態とは釣合こそが大事であり、状態間の遷移の記述は、誤解をうむ可能性がある。

この記事の記述は、ヘンリーの法則の説明としては問題ない、と考えているが、一応上記のようなことも心に留めておいてほしい。

この追記の意味がわからなかった人は、聞き流してくれてかまわない。

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2008.10.08 Wed l ことば l COM(0) TB(1) | top ▲

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2014.03.11 Tue l