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以前、「科学者の 9 割は「地球温暖化」CO2 犯人説はウソだと知っている」という本を取りあげ、その中で、今年(2008年) の地球惑星科学連合学会で、温暖化懐疑論のセッションが催されたことを紹介した。懐疑論者が研究交流を持った機会としてははじめてのものだったのかもしれない。私は参加していないが、出席者が気勢を上げ、快哉を叫んでいる様子が、その本や、出席者のブログに紹介されている。

私、onkimo は、CO2 による温暖化支持派であるにもかかわらず、このセッションの開催が良いことだったと考えている。なぜなら、私見によると、今の温暖化懐疑論において最も欠けているものは学会活動であり、このセッションは、懐疑論学会の産声と見做しうるからだ。

以下、私が CO2 による地球温暖化を支持する側(ここでは単に「温暖化支持派」と呼ぶ)だということをふまえつつ、読んでいただきたい。

このブログに来られる方なら知っている人も多いと思うが、温暖化懐疑論にはあまたの論客がいる。ブログを始めとするウェブ上の記事から、商業出版物、さらには学術出版物にまで彼らは進出し、多くの忠実な読者を勝ちとっている。

これに対して温暖化研究者の側も反論を行なっている。だた、近年の懐疑論本の売れ行きを見ると、反論が成功しているとは言いがたい。

それでも、私自身は、温暖化研究の将来に、そして、温暖化問題と社会の関わりの行方に、懐疑論が大きな影響を与えることはないだろう、と見ている。熱狂的な信者を獲得しているにもかかわらず、温暖化懐疑論者達への支持がそれ以上の広がりを持ちえないと予想しているからだ。

理由はいくつかあるが、そのなかで私が最も大きな理由と思っていること、それは、彼らの力が分散されており、統一された組織的な行動になっていないからだ。

残念ながら、批判が個々の論客のものに留まっている限り、温暖化研究に対して、そして、社会に対して強い力を発揮できない。個々の批判は、細い小川のようなもの。それを集めて滔々と流れる大河を形作って始めて、人間社会という海に大きな影響を与えることが出来るのだ。

学会活動は、温暖化懐疑論がこれまで為し得なかった、さまざまなことを可能にするだろう。

たとえば、懐疑論のクオリティの向上。

ネットに見られる懐疑論、商業出版における懐疑論、これらの多くは、玉石混淆である。はっきり言って、玉を捜すのは一苦労で、石ばかりだ。それは、しかしながら当然である。物理的な教育を十分に受けていない研究者が、専門家の指導を受けないで書いていることが多いためである。結果として、懐疑論の大部分は勘違いと錯誤にみちている。

学術誌に掲載された、とされる懐疑論においてさえも、レベルが低い。地球科学系の雑誌に掲載されたもはさすがにあきれるほどレベルの低いものは無いが、その他の分野の雑誌に掲載された懐疑論の論文は、気候学に対する誤解と無知にあふれていることが多い。

このようなクオリティの低さは、学会が論文誌を発行することで、改善していくことができよう。たとえば、槌田敦氏の思い込みだけで書いたような間違いだらけの論文を、丸山茂徳氏や赤祖父俊一氏など、地球科学をわきまえた研究者が編集者やレフリーとして批判的に読み、より緻密なものに仕上げていくことが可能になろう。

学会が主催する研究集会により、懐疑論者のあいだでより密度の高い議論を定期的に行なうことができるようになるのも重要だ。これは、個々の議論を磨くだけではなく、学会の総意といったようなものを形成する。一人で孤独に行なうよりも、多数の承認を背景にした主張はより説得力が出るものだ。また、議論を通して洗練された理論を持つことにより、現在の温暖化論に引導を渡すことができよう。

今、議論されている地球温暖化も、このような学会活動を通じて培われてきた。権力を持つ学者が一言、「今の温暖化は人為起源の CO2 が原因である」と言ったからそう信じられているのでは決してない。地味な研究の積み重ねと、多くの議論の末に、気象をはじめとする、温暖化に関わる学会の中で、そのような認識が共有されてきたのである。温暖化懐疑論にも同様の活動が必要ではなかろうか。

学会活動が必要になる点の第二として、温暖化研究、温暖化予測が非常に困難な作業であることを指摘しておきたい。温暖化に関する研究はもはや一人で出来ることではない。たとえその一人がどのような天才であったとしても。地球温暖化の観測、温暖化予測シミュレーション、そういったことは、強力な指導力の元での多数の人間の参加が必要となるのである。

今は小さなグループでの活動で問題なかろう。既存の温暖化研究への批判に終始しているだけだからだ。温暖化懐疑論は、観測などの地道な努力をすべて既存の温暖化研究に努力に負わせており、自らはそれを対岸からあれこれ批判するだけに留めているのであるから。

しかしながら、懐疑論が批判を一歩踏みこえて、新たなビジョンを提示しようとした瞬間、懐疑論者は多くの困難に遭遇することになる。


例えば、次の例を考えてみよう。

現在観測されている地球温暖化が、都市のヒートアイランドの影響と、そこに置かれた観測点の温度計のバイアスによる、という説がある。この説に対しては、温暖化支持派からの反論がすでになされているが、まあそれは置いておこう。ここで問題にしたいのは、この説を唱えた研究者が、また、この説に賛同した研究者が、それでは地球の温度がどのくらい変化したのか、CO2 が増えたにもかかわらず、どのくらい安定だったのか、を示したくなった場合である。

何をすべきか?すくなくとも、現在までに行われた観測のサーベイが必要だろう。都市から離れた場所での館則、海の温度の観測、ゾンデ観測、衛星観測など、さまざまなデータを集めなければならない。

過去のデータも必要だろう。温度計のデータがある時期はまだ良い。しかしながら、もう少し前の段階まで遡ろうとしたら、間接的なデータから、気温の変化を再構成する必要がある。これには専門の知識が必要だ。

さらに、必要なデータが存在しない場合がある。温暖化が欺瞞である、ということを疑う余地なく証明できる、重要な、しかしながら、未だ観測されていないデータ。そのようなデータを得るためには、あらたに観測を行う必要があるだろう。観測は、金ももちろんだが、人手もかかる。観測機器、データ解析など、要求される知識と作業量が多い。一人では不可能だ

観測だけではなく、温暖化シミュレーションも、もはやひとつの研究室で孤立してできる仕事ではなくなった。もちろん、現在のシミュレーションが問題のあるものである、という意見はあろう。しかしながら、それは、勢力を結集せずに研究をすすめていることへの免罪符にはなりえない。現在のところ、懐疑論側がシミュレーションを越える予測の枠組みを提供出来ていないのは厳然たる事実である。なにかシミュレーションよりも優れた手法が存在するとして、それは孤立した少数の努力だけで完成できるものなのだろうか?

気候に深い関りのある、気象学、海洋学の分野おいて(というより、物理系の学問の多くでそうだと思うが)、理論にせよ観測にせよ、個人が独力で画期的な発見を出来たロマンチックな時代は 1960 年代を過ぎたころには終ってしまったのではなかろうか。一人で歯が立ちそうな研究テーマは、その時代にしゃぶりつくされていると考えて良いだろう。

このような状況で、現在までの気候研究が提示できなかったあらたな地平を拓く、そのためには、ぜひとも懐疑論勢力の結集がのぞまれるのである。そして、その形は学会とするのがのぞましいだろう。

学会活動は、その他にも、学問の社会的認知の面、巨大プロジェクト遂行の支援、国際交流の舞台、若手研究者のインキュベーターなどとして、無くてはならないもののはずだ。

もう一度、言う。これまで、温暖化懐疑論は、個々人の努力をベースにそれなりの成功を収めてきた。しかしながら、今後、さらなる発展を遂げるためには、学会活動、つまり、個々の温暖化懐疑論者をまとめて大きな流れを作りだしていく活動が必要なのである。

健全でクオリティの高い研究活動をする温暖化懐疑論の学会ができた時。その時、初めて地球温暖化問題に本格的で包括的な対案が提示されることになる。温暖化の誤解に毒された学問を正しいあり方にするために、そして、日本が過った道に進まないように導くために、是非とも骨太の対案が提示されるべきなのである。そして、それは個人が自身の興味のみに基づいてばらばらに声をあげていてはなしえないことなのだ。

人為起源 CO2 を原因とする温暖化に疑問を呈する懐疑論者の諸君、是非がんばってもらいたい。日本の将来はあなたたちの頑張りにかかっている。なにをためらっているのだろうか。温暖化懐疑論学会の設立に驀進していただきたい。

全国の温暖化懐疑論者よ、団結せよ!


追記:

続きを書きました。こちらです。
はてなブックマーク - 地球温暖化懐疑論者よ、団結せよ!!
2008.09.17 Wed l 温暖化懐疑論概論 l COM(3) TB(0) | top ▲

コメント

No title
ひょんなところからこういう本を見つけました
温暖化研究関係者の間ですでに知られているかどうかは知りません
2011.01.31 Mon l 草食系温暖化論者 -. URL l 編集
No title
表示されませんね
この本です

検証 陰謀論はどこまで真実か

「CIA麻薬取引関与説」は30%、「フリーメイソン世界支配説」は0%など、信憑性をパーセントで示す! 政治や国際社会、仕事や日常生活等の場で様々に囁かれる陰謀の噂----。そこで、と学会会長や大学教員、超常現象謎解きサイトの管理人、『陰謀論の罠』著者などが集まり、個別の事例を検証することで、私たちがどう陰謀論に立ち向かったらいいかを探る。34事例を取り上げたまさに陰謀論大全!
フリーメイソン、イルミナティ、切り裂きジャックから9・11テロ米国自作自演、明治天皇すり替え説、M資金、下山事件、アポロは月に行っていない、HAARP、ナチスガス室はなかった、エシュロン、地球温暖化謀略、競馬にはサインが隠されている、ノーベル賞は人種差別している、田中上奏文など、紙幅の許すかぎり多くの謀略説・都市伝説を集め、超常現象調査団体と陰謀論の著名ウォッチャーが詳細に調査・検証
2011.01.31 Mon l 草食系温暖化論者 -. URL l 編集
No title
なんだ!(失礼)
彼か。

第1章 私たちの日常は陰謀に満ちている!?――日常生活編
地球温暖化はでっち上げだ(山本弘)
2011.02.01 Tue l 草食系温暖化論者 -. URL l 編集

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