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本当は (9) が入るはずでしたが、書く気が失せてしまいました。とりあえず欠番で。また気合いが入ったら書くと思います。その際はこの記事にも少し手が入ると思います。

モデルの話はここで一段落だ。ちょっと振り返ってみよう。

最初に、モデルについての話を第一部と第二部に分けると言った。第一部では、モデルとは何かについて説明し、第二部とはモデルとはいったい何なのか、研究や社会の中で果たす役割を考える、と。

一段落というのは、ここで第一部の前半が終わったということだ。

ここまで何を語ってきたか。まず、こちらの記事で、我々はこの世界の全てをとらえることはできない、大事なのは、とらえるべきことを必要十分にとらえることだ、ということを述べた。そして、モデルとは、気候学で (というより、科学一般で) 自然をとらえる方法の一つであり、その特徴は定量的である、ということだと言うことを語った。
その後、例として、地球の気温を与えるモデルを紹介した。地球の温度がどのように決まるか、温室効果がどのように働くかを表現するモデル達だ。シンプルなエビちゃんから、温室効果を説明できる中で最も単純な薄着モデル、そして、温室効果が増加するとどうなるかを説明する厚着モデルスケスケモデルと、単純から複雑な方向へ記事を書いた。定量的なモデルというものが何であるかをそれなりに説明できたと思う。

加えてモデルが地球の気温を再現していないこと、それでも、モデルは役に立つ、モデルから読み取れるだけのことを読み取るべきだとも主張した。そして、モデルとつきあう際に心に留めておいてほしいことを説明した。モデルに求めるのは必要十分である、とか、モデルは自身の妥当性を証明できない、とか。いろいろ述べてきたけど、僕が一番大事だとおもうのは、「モデルは答えを"知っている"ことにしか適用してはいけない」点と、そして、それから自然と導かれる「モデルからは"知っている"答えしか出てこない」点だ。

これら心にとめてほしいことを僕はモデルの読む側の立場で語ってきた。でも、一方でモデルを作った人がいる。

作った人は、モデルに想いを込めている。服を着た一流のファッションモデルがデザイナーの意図を体現するように、優秀なモデルは科学者の頭の中をクリアに描く。

作者の思いを読者に届ける、そう、モデルはコミュニケーションのツールなのだ。

「モデルがコミュニケーションのツールである」は、このシリーズ記事のテーマだ。今後も繰り返し出てくる。ここでちょっと立ち止まってみよう。

コミュニケーションという観点から僕が語ったことを見直してほしい。たとえば、モデルが物事を忠実に表している必要なんてないこと。もちろん忠実な方がいいのだけど、それよりもクリアであることがコミュニケーションとしては大切だ。ファッション誌に登場するモデルがあなたが服を着たところを再現しているわけではなく、商品を売る側の思想を体現しているのと同様、科学で出てくるモデルは、自然をまるごと再現しようとしているわけではなく、科学者の思考をなぞっている。

また、モデルからは知っている結果しか出てこないこと。何かを伝えようと思ってモデルを作るわけだから、そこから思ってもないような答えが出てきた場合、コミュニケーションの手段としては失格だろう。ファッションの世界で、たとえばかちっとしたフォーマルな装いを売り出したいのに、宣材写真がなぜかギャル系の印象になってしまったら、もっと別なモデルを探すことになるだろう。温室効果のモデルを作ったつもりが地表の温度を下げるような結果になってしまった場合、そのモデルは練り直すことになるわけだ。


* * *


温暖化を論じるに当たって、モデルという言葉は頻繁に出てくる。

そして、温暖化問題で出てくるモデルという言葉が指すのはこれまで述べてきたモデルだけではない。もう一種類、かなり見かけが違うモデル達がいるんだ。

これまでに見てきたモデルは、パリ・コレクションや東京コレクションでキャットウォークを歩くような、もしくはファッション誌の表紙を飾るような、一流モデル。ばっちりとメイクをほどこされ、最新の服をまとって観客の前を歩き、カメラマンの前でポーズを取る。服を引き立たせるだけでなく、モデル自身も観客の、読者のあこがれを集める。そんな洗練されたモデル。

一方で、これから紹介するモデルは、スーパーの安売りチラシなどで衣料品の広告に出ているモデルさんのような感じかな。もちろんモデルだけあって、普通の人よりは見栄えがするけど、とはいえちょっとぱっとしない感じ。一流モデルのとぎすまされた美しさとは違う、いけてない感じ、でもそこに安心感がある。服を目立たせるのが、いや、それよりも赤い POP 体で書かれた値段を目立たせるのが目的のチラシだから、モデルは読者の印象には残らない、でも、存在は不可欠、そんな広告モデルのような感じだ。

これまで見てきたエビちゃんなどのモデルが無駄のないスリムな体をしているなら、これから紹介するモデルは贅肉がついた存在だ。これまで見てきたモデルが目鼻立ちがぱっちりとした顔をしているとしたら、これから説明するモデルは印象の薄い顔の造作をしている。

そのモデルは、気候モデルと呼ばれる。大気・海洋結合モデルと呼ばれたりもする。いや、そのほかにいろんなものがくっついて地球システム統合モデルと呼ばれることもある。

エビちゃんみたいなモデル達と、これから紹介する気候モデル。かなり違うから同じモデルという言葉で呼ばない方がわかりやすいのかも知れない。多くの混乱がこの言葉遣いから生じていると僕は思う。

それでも、気候モデルだってやはりどうしようもなくモデルなんだ。そして、これまで見てきたモデルが気候システムの理解を助けるように、気候モデルも現代の気候研究に不可欠のツールとなっている。

次回からの第一部後半では、気候モデルについて話していこう。気候モデルは、気候学や、その物理学的な基礎を提供した気象学、海洋学と切り離せない関係にある。モデルの発展も、これらの学問の発展の歴史に寄り添っている。全部カバーするつもりはないのだけど、それでも話は長くなりそうだ。気長につきあってほしい。
タグ 記事:モデルとは はてなブックマーク - モデルとは何か (10) ここまでのまとめ
2010.09.05 Sun l 温暖化論概論 l COM(0) TB(0) | top ▲

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